LGBTQ映画『ナチュラル・ウーマン』ネタバレ&内容 トランスジェンダーの女性のパートナーが急死。彼女には過酷な試練が。








映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

『ナチュラル・ウーマン(原題:A FANTASTIC WOMAN)』を鑑賞して参りました。

込み上げる想い・・

簡単なあらすじ

トランスジェンダーの女性のパートナーが急死。彼女には過酷な試練が。

概要

アカデミー賞外国語映画賞を受賞したチリ映画。

主演は実際にトランスジェンダーの女性。

 

愛するパートナーが突然、亡くなった事を発端に、マリーナを取り巻く環境が激変する模様を描いた映画。

出演者

ダニエル・ベガ

実生活においてもトランスジェンダーをカミングアウトしている女優。

ネタバレ

一人の中年男性オーランド。

オーランドはお気に入りのショーパブへ。

そこにはバンド演奏が行われており、メインボーカルは主人公のマリーナ。

美しい声のマリーナを見つめるオーランド。

 

マリーナはオーランドに目配せします。

 

二人は恋仲のようです。

オーランドは50代後半で、マリーナとはだいぶ歳が離れています。

 

レストランで二人、食事をする最中、オーランドはマリーナの誕生日を祝います。

 

オーランド『今度、一緒に遠いところまで旅行をしよう。そうだな、10日後くらいはどうだい』

 

そんなロマンティックな会話を楽しんだ後、マリーナはオーランドのアパートへ。

最近、マリーナは引っ越してきて、オーランドと同棲を始めたばかり。

二人、熱い夜を過ごします。

その晩、マリーナが目を覚ますと、オーランドが苦しそうに起き上がっています。

 

マリーナ『どうしたの?大丈夫??』

 

オーランド『苦しいんだ。』

 

オーランドは意識が朦朧としています。

すぐに病院へ連れて行こうとするマリーナ。

少し目を話している間にオーランドは階段から転げ落ちて頭を打ってしまいます

 

病院へ到着する一行。

緊急治療室へ運ばれるオーランド。

 

医者『あなたは親戚か何かですか?』

 

マリーナ『パートナーです』

 

医者『名前は?』

 

マリーナ『マリーナです。』

 

医者は、トランスジェンダーのマリーナを見て、怪訝な表情をしています。

 

医者『身分証明書を見せてもらえるかな?』

 

マリーナは拒否。

 

そして、

オーランドが死んでしまった事を知ります。

 

トイレで泣くマリーナ。

 

マリーナはオーランドの家族へ連絡します。

そして、マリーナは落ち着かなくなり、病院から抜け出します

 

外を歩いていると警察官に職質されます。

 

警察『あなたはマリーナですか?捜索願いが出ています。すぐに病院へ戻ってください』

 

マリーナは病院へ連れ戻されます。

医者が警察に連絡をしていました。

 

マリーナ『どうして私を犯罪者扱いするの?』

 

マリーナは医者を非難します。

その後、尋問を受けるマリーナ

 

警察『どうして病院から逃げたんだ?お前の名前はなんだ。』

 

マリーナ『マリーナです』

 

警察『身分証を見せて。身分証の名前と違うじゃないか』

 

マリーナ『今、名前を変えてもらうように申請中なのよ』

 

開放されたマリーナ。

翌日、

マリーナはカフェでウエイトレスのバイト中、ある女性がやってきます。

 

女性『わたしはあなたがオーランドさんを殺害したのではないか、捜査しています。頭には傷がありました。性犯罪ではないか疑っています。』

 

マリーナ『前にも言ったけれど、階段から落ちたときの傷です。』

 

女性刑事はマリーナの証言を信じていません。

マリーナはかったるそうです。

 

バイトの後には、オーランドの元妻から連絡が。

 

『オーランドの車を返して』

 

更に、マリーナが家でのんびりしていると、誰かが入ってきます。

それはオーランドの息子。

 

『この家もお前のものじゃない。すぐに出て行け。モノも何一つ盗むんじゃねえー。おやじも、こんな、おかま野郎に熱を入れるなんて狂ってるな』

 

マリーナはオーランドの息子からの罵詈雑言に反論する事もなく、じっと見つめ返すまま。

マリーナはオーランドの家族からは酷く疎まれています。

それは彼女がトランスジェンダーだからです。

 

マリーナはオーランドとの思い出に浸る中、時々、オーランドの幻影を見ます。

そして、オーランドが遺したカギ。

そのカギには数字が書いてありますが、一体どこのカギなのかわかりません。


↑屈辱的な尋問を受けるマリーナ

 

数日後、

オーランドの元妻へ車を返しに行きます。

そこでも、オーランドとトランスジェンダーのマリーナとの関係を許せない元妻にボロクソに言われます。

 

『オーランドの葬式には絶対に来ないで。』

 

マリーナは家に戻ると、愛する犬がいなくなってしまいます。

犬はオーランドと一緒に飼っていた犬。

ひとりぼっちになったマリーナは、荷物をまとめ、オーランドとの思い出のアパートを出ていきます。

 

マリーナは、愛するオーランドとの最後の別れをしたいと思い、葬式が行われている教会へ。

マリーナの存在に気づいたオーランドの家族は罵詈雑言。

 

教会から追い出されてしまいます。

そして帰り道、

オーランドの親族に拉致され、罵詈雑言、顔もテープでぐるぐる巻きにされ見るに堪えない姿に。

そのまま道端に捨てられます。

 

そんな中も、

オーランドが遺した謎のカギの存在が気になっています。

 

バイト中、

お客様が、オーランドと同じカギを持っていることに気づきます。

 

マリーナ『このカギはどこのカギですか?』

 

『サウナのロッカーのカギだよ』

 

 

マリーナはすぐにサウナへ向かいます。

女性として入店するも、男性ロッカーへ侵入します。

 

マリーナはロッカーを発見。

その中を恐る恐る開けると、、、

 

 

何も入っていません!!!

 

 

マリーナは、オーランドの家族になんと言われようが、愛するオーランドをおくりたい。

火葬場へと向かいます。

 

すると、オーランド家族に出くわします。

 

『オカマ野郎。どうして俺たち家族をめちゃくちゃにしようとするんだよ。さっさと消えな。』

 

今まで黙っていたマリーナですが、怒りが爆発。

 

マリーナ『犬を返せ!!』

 

マリーナはオーランドを想い出すたった1つのモノ、犬を取り戻す決心をしたのです。

 

突然の豹変にビビるオーランド親族。

 

そして、マリーナはオーランドが遺したカギを、オーランドの家族へ投げ捨てます。

 

その後、

マリーナは火葬場で、オーランドの幻影と出会い、キス。

そして最後のお別れをします。

 

場面は代わり、

犬と散歩をするマリーナ。

そして、マリーナはオペラ歌手としての仕事をはじめました。

感想

性的マイノリティが抱えるテーマを凝縮したような映画。

 

トランスジェンダーだから見下しても良い。

ゲイだからひどい事を言っても大丈夫

 

そんなクズ家族とは対象的に、何も言い返さないマリーナの力強い目。

その差が鮮明になればなる程、クズ家族のクズさが際立ってくる演出。

 

観客はこんなように思う

『どうしてそこまで酷い事を言えるの?同じ人間でしょ』

 

時には沈黙も大切なのだなと学んだ映画。

 

・性的マイノリティの相続問題。

長年パートナーとして寄り添ったのに、法的に家族として認められないため、思い出の品物やお金など、全て親族に取られてしまった。

 

そんな悔しいニュースもある昨今。

 

いくら愛し合っていてもそれを他人に証明する手段が無い。

そんなの他人に関係が無いからどうでもいい。

それも一理ありますが、一緒に築きあげてきた資産が取られてしまったら。。。。

 

ロッカーの中に入っていたものは・・・

愛するローランドが遺したカギ。

マリーナが期待していたはず。

愛するオーランドが自分に遺してくれたであろう何かを。

マリーナはその期待と希望を胸に、辛い現実に耐える事が出来たのだろうと。

 

しかし、そこには実際には何も入っていなかった。

 

マリーナは吹っ切れたように思います。

愛するオーランドとの間に残ったもの。それは思い出、そして犬。

 

今までは逆らったり反論したりさえもしない耐え忍ぶマリーナ。

しかし、犬を取り返す『勇気』が、パンドラの箱の如く、サウナのロッカーの中に入っていたように思います。

 

そして、その『勇気』は映画を観ている観客にも伝染したに違いないです。

 

最高の映画。