映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

LGBT映画『Love, サイモン 17歳の告白』を鑑賞いたしました。
恵まれすぎている環境に若干のファンタジー要素を感じる・・・
”ブルー”が全然タイプじゃない男だったら話は悲恋物語へ。
簡単なあらすじ
片思いの相手は匿名掲示板の謎の同級生
概要
人気小説”Simon vs. the Homo Sapiens Agenda”の映画化。
メジャースタジオ(20th Century Fox)による『初』の同性愛者が主人公の映画ということで全米中で話題になりました。
広告にも莫大の費用が投じられたおかげか、興行収入も大ヒット。
主人公サイモンが恋をしたのは匿名掲示板の謎の同級生ブルー。
誰がブルーなのか。
好きな人の事を妄想してドキドキするのは思春期の性。
小説とは違った良い部分があってとても楽しい映画でした。
青春時代を同様に悩んだ同じゲイの身分としては、『悩む要素無し』の環境にただただ羨ましい限りで。
『原作者は絶対に女性』だと確信できるような、何となく現実感の薄い展開ですが、スルスルと流れるような青春物語にキュン死にすること間違いなし。
原作を先に読んだせいだけれど、映画は物足りなさを感じたのが本当の所。
登場人物
小説・映画を元に各キャラクターの紹介。
小説では4人、特にサイモンとリアとの話が多かった印象ですが、映画版はサイモンの悩む姿に焦点が充てられていました。
サイモン
長身でルックスは良い方。オレオ・クッキーが大好物でいつもポケットに忍ばせてはボリボリ食べている。
物心ついた頃から同性愛者である事を自覚しているものの、長年、家族や親友に打ち解けられずにいる日々。
以前は女の子ともお付き合いをしていたが何もせずにすぐに別れる。
母は心理カウンセラーを持ち、料理研究に励む優しい妹、そしてジョークが好きなハンサムな父と共に幸せに暮らす。
ブルーとのSNS上での出会いにより、生活が一変する。
しかし、マーティンに脅されてからは親友を騙すなど、クズな部分も。
リア
サイモンと幼稚園時代からの親友。
ちょっとクールでおませなリア。真剣交際を望みカジュアルな付き合い等はあまり好きではない。
映画ではサイモンに想いを寄せている。(小説ではニックに。)
小説では、サイモンが秘密を隠していたことなどに怒り、最期の最期まで険悪な仲になるも、サイモンの事を本当に信頼している。
リアを主演に書かれた小説もあります。リア主演の小説ではリアはバイセクシュアルとして描かれているそう。
おそらく作者はリアに自身を投影していると思う。
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↑リアがメインの小説も出てます。
アビー
両親の離婚を機に転校してきた美人で多彩な学校の人気者のアビー。
数々の男子生徒から注目を集めるも、本人はニックが好き。
マーティンからのしつこいアプローチも華麗に交わす大人な女。
サイモンが初めてカミングアウトし、優しく受入れてあげるサイモンの理解者。
友達になりたいタイプ。
ニック
サイモンと幼稚園時代からの親友。
サッカー部に所属する陽気な青年。
アビーに想いを寄せる。
小説でも映画でも若干の空気。
ネタバレ
高校3年生の主人公は隠れゲイ。しかし仲間には言えずじまい。
両親や妹と幸せに暮らし、更に友達にも恵まれている主人公ですが、自分のセクシュアリティを隠している事が気になっています。
学校では、いつも通り、小さい頃からの旧友ニック、リア、そして最近転校してきたアビーの4人でつるむも、その他ランチは仲良しの友達といつも一緒。
また、主人公サイモンはリアと共に演劇クラブで活動しており、『キャバレー』公演に向けて練習に励んでいます。
学校ではゲイをカミングアウトしている生徒もいますが、田舎の学校なので『おかまやろう』とバカにされています。
↑ホラー映画よりも怖い、ボッチには厳しいアメリカの高校のランチ風景。
ある時、親友リアから電話が来ます。
リア『今すぐ、SNSをチェックして。学校の誰かがカミングアウトしてるわ。』
学校中の噂などが投稿されるSNSサイトをチェックするサイモン。
『僕はゲイ。でも誰にも打ち明けられない不安を抱えている。。。ブルーより』
”ブルー”という匿名の人物が投稿したメッセージにサイモンは驚きます。
サイモン『僕も君と同じ秘密を抱えている。ジャックより』
サイモンは”ジャック”というハンドルネームを使い、ブルーに直接返信。
そこから二人の交流が始まります。
↑恐ろしい程ハンサムな父とマッチョな母
ブルーとのやり取りにウキウキでトキメキを感じるサイモン。
常に携帯を片手にブルーからの返信を待ちわびる毎日。
ある時、
サイモンは携帯を没収されてしまい、代わりに図書館のパソコンでメールをチェックします。
そのまま、ログアウトせずに図書館を出るサイモン。
サイモンとブルーの秘密のメールは、学校一のひょうきん者マーティンにメールを観られてしまいます。
そしてサイモンはマーティンに脅されます。
マーティン『君の秘密を知ってしまったよ。君たちのメールは一応スクリーンショットで保存しちゃったよ。』
サイモン『僕を脅すのか?』
マーティン『そのつもりは無いよ。でもお願いがあって。アビーと僕をくっつけてほしいんだ』
マーティンはサイモンの親友アビーに想いを寄せており、サイモンはしぶしぶマーティンの欲求に従う事に。

サイモンは学校の誰がブルーなのか考え始めます。
最初の候補はブラム。
いつもランチテーブルを共にするニックのフットボールクラブの友人。
サイモン『黒人の血が入っていて、いつも物静かで、かっこいいな』
サイモンはブラムがブルーならなあ、と想像します。
タイミングよくブラムの家でハロウィーンパーティー。
サイモンは酔っぱらいブラムに告白する準備満タンですが、ブラムが女の子とキスをしているのを目撃。
ブラムはストレートで、ブルーではありませんでした。

次のブルー候補はパンケーキ屋でアルバイトする同級生。
しかし、彼もアビーに想いを寄せるストレートな男でした。
同時に、サイモンはマーティンに脅され、マーティンとアビーをカップルにすべくデートをセッティングしてあげたりしていますが、アビーはマーティンに対して興味が無さそうです。
↑一番好み。。
フットボールの試合をみんなで観戦。
マーティンはサイモンのアドバイスを勘違いし、公衆の面前でアビーに告白しますが、振られてしまいます。
サイモンに恥をかかされたと思っているマーティンはそのままどこかへ行ってしまいます。
その晩、サイモンはアビーにカミングアウトします。
アビーは快く受け入れます。
アビー『カミングアウトしてくれてありがとう』
クリスマスイブの日。
リアから電話が。
『今すぐSNSを観て!』
マーティンはサイモンの秘密をSNSで暴露していました。
『サイモンはゲイ。www』
悩むサイモン。
そのまま両親にカミングアウト。あっさり受け入れてもらえます。
↑恐ろしいほど理解力のある家族。
新学期、
サイモンはいつもどおり登校。
学校中の生徒が好奇の目でサイモンを見てはコソコソと噂話をしています。
ブルーの最期の候補カルもブルーではありませんでした。
最悪な事にアビーとマーティンをくっつけるために、アビー、ニック、リアに対して嘘をついていた事もバレ、絶縁宣言。
ブルーもサイモンの正体を知り、メールのやり取りを辞めてしまいます。
孤独になり、荒れるサイモン。
↑妄想キスをするサイモン。
しかし、サイモンは状況を受け入れます。
SNS上で自らカミングアウト、そして仲間とも仲直りします。(展開早い!)

演劇が終わり、みんなで遊園地へ。
サイモンは観覧車のチケットを独占し、一人観覧車に乗ります。
サイモンはSNSにメッセージを残していたのです。
『ブルーへ。今日、一緒に観覧車に乗って欲しい』
待つサイモン。
そこに現れたのはブラム。
ブラムがブルーでした。
二人は結ばれました。
(終わり)
↑匿名のブルーが、イケメンで良かったね!
Congratulations to @NotNickRob and @KeiynanLonsdale for winning “Best Kiss” at the #MTVAwards! #LOVESIMON #LoveIsLove pic.twitter.com/R8rFJydcG8
— Love, Simon (@lovesimonmovie) June 19, 2018
↑ブラム(ブルー)とサイモンのキスシーンに劇場の観客(女とおかま)の歓喜の悲鳴。
他人にカミングアウトされたサイモンが一言。
『いつ、どこで、誰に、どんな風にカミングアウトするかは自分で選びたい!』
この一言がとても胸に突き刺さりました。良い意味で。
カミングアウトも人生の一大イベント。
良い映画でした。