映画『Mother! (邦題:マザー!2017)』ネタバレ&内容 迷惑な訪問客。屋敷で起こる大事件








映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

映画『Mother! (邦題:マザー!2017)』を鑑賞して参りました。

カオスな家。皆様、お引き取りくださいませ

簡単なあらすじ

ラブラブな夫婦の愛の巣に突然やって来た迷惑な訪問者達。物語はとんでもない方向へ。

概要

鬼才・ダーレンアロノフスキー監督(『ブラックスワン』『レスラー』など)の最新作。

 

最後の一言を聞くまでは『なんだこの映画は!』とちんぷんかんぷん。

ただ、最後の一言ですべての謎が解け、監督の凄まじい才能に鳥肌。

 

小さな屋敷の物語は実は壮大な宇宙の話、この世のすべてを物語る。

 

すべてがメタファーであり、すべてがシンボル。

主人公の冗長でかったるい行動も、思い返せば全て意味がある事。

↑監督様

↑必見

出演者

ジェニファー・ローレンス

若くしてハリウッドの女王に君臨。それもそのはず、彼女の演技力は勿論、飾らない人柄、酒ヤケしたような声、ユーモア炸裂のトーク。

そんな彼女を嫌いになる理由が見つかりません。

すでにオスカーを受賞、今後はメリルストリープのようにいかにノミネート数を増やしていくか。もしくは電撃引退もありうる。

本作では純真無垢の若き妻を演じていました。

本作の監督ダーレンアロノフスキーと交際中でしたが、今はお別れしたみたい。

 

ハビエル・バルデム

主人公の旦那役。

オラウータンのような癖のある色気のある顔、そしてペネロペクルスさんの旦那。

 

ミシェル・ファイファー

謎の迷惑な中年女役。

ミスコン出身者の女優。80年代90年代は彼女の時代。

2000年代も『ヘアスプレー』『アイアムサム』で輝きを放つ美人女優。一発逆転ホームランを期待。

 

エド・ハリス

謎の迷惑な中年男役。

若き頃の美しい顔立ちは相変わらずだけれど頭皮が既に、、

『めぐり合う時間たち』でのエイズ患者役は脳裏に刻まれています。

 

ネタバレ

燃え盛る炎の中、叫び声をあげる女性。

 

場面は変わり、主人公の旦那は大きく美しい宝石を眺め、ほほ笑んでいます。

すると廃墟のような屋敷が見る見ると美しい姿へと戻っていきます。

 

またまた場面は変わり、

 

主人公の若き妻(Mother)はベッドの上で目が覚めます。

 

主人公『あなた?いる?』

 

主人公は旦那と二人で大きな屋敷に住んでいます。

目が覚めた主人公は屋敷中を歩き回って旦那を探し回ります。

 

旦那は詩人ですが、前妻を亡くしてからはスランプ状態で良い作品を思いつけない状態が続いています。

 

主人公は旦那との愛の巣の壁にペンキを塗ったりと、リフォームに余念がありません。

 

時たま、

主人公が壁に手を当てると『ドックンドックン』と心臓の動く音のようなものが聞こえます。

 

そんな平和な二人の生活に変化が訪れます。

 

ピンポーン!

 

誰かが来ます。

 

中年男『ハロー』

 

旦那は快く迎えますが、主人公はめっちゃ不満顔。

 

旦那『ゆっくりしていきなよ』

中年男『感謝です』

 

旦那は中年男に彼自身の作品を見せると感動。

 

中年男『僕はあなたの大ファンだったんです。』

 

旦那は中年男との時間を過ごす中、存在を蔑ろにされていると感じ、若干不快感のある主人公ですが、いつも通り屋敷の壁にペンキを塗ったりと活動しています。

 

その晩、トイレで物音を聞いた主人公。

トイレで嘔吐としている中年男、そして中年男を介抱している旦那。

 

翌日、

主人公『中年男さんの体調はどう?』

 

昨晩とは打って変わって中年男はぴんぴんしています。

 

すると、玄関の扉をノックする音が。

 

中年女『ハロー、私の旦那がいるんだけれど。』

 

旦那は快く迎えますが、主人公は怪訝な表情をしています。

 

主人公『中年男に妻がいるなんて知ってた??何だか変よね。』

 

主人公と中年女は二人きり。

中年女は主人公に質問攻めをします。

 

『あなた、旦那を愛しているの?』

『子供は欲しくないの?』

『結婚するって子供を作るって事でしょ?』

 

主人公は不愉快に。

主人公は未だ、旦那に抱かれていない事を気にしていました。

 

そして、

中年女は旦那以外入ってはいけない部屋へ好奇心で入ってしまいます。

 

中年女『美しい宝石ね』

主人公『出て行って!ここは入っちゃいけないの!!』

 

今度は中年男が再度、ひどい発作を起こしています。

そして、中年男は残りの命が僅かである事、そして中年男と中年女は旦那の大ファンであり、死ぬ前に旦那に会いたかったそうなのです。

 

そんな話を主人公と旦那がしている間、中年女と中年男は禁じられた旦那の部屋へ行き、旦那が大切にしていた宝石を落として割ってしまいます。

 

中年男&中年女『ごめんなさい、わざとじゃないの』

 

旦那『出ていけ!出ていけ!!お前(主人公)もだ。一人にしてくれ』

 

普段は温厚な旦那が激怒。

主人公も、旦那を怒らせた中年男女に激怒。

 

主人公『もう出て行って!!』

 

中年女と中年男は部屋に戻ります。

主人公が中年女と中年男に早く屋敷から出ていってほしいと思うも中々部屋から出てこない。

様子を見にいくと、なんと二人は行為中!!!!

 

なかなか、屋敷から出ていかない二人。

すると、若い男が屋敷を訪れます。

 

若い男『父(中年男)はいるか?』

 

するともう一人の兄弟も屋敷を訪れます。

 

兄『父(中年男)の遺産は俺のものだ。なんだよこの契約書は』

 

弟『兄、いい加減にしろよ。』

 

二人は殴り合いの喧嘩に、そして兄は弟を殴り殺してしまいます。

弟の血が床に広がります。

 

兄はそのまま逃亡。

旦那と中年男と中年女はそのまま病院へ行き、主人公は一人屋敷に取り残されます。

 

床に広がった血を掃除する主人公。

すると血が地下にぽたぽたと流れている事を発見し、そのまま地下へ。

 

地下へと流れる血はそのまま壁に広がり不思議と扉の模様になります。

主人公が壁を触ると、ボロボロと壁がはがれ、そのまま壁を壊して中を確認。

 

隠し部屋にはオイルタンクがありました。

 

旦那、中年男、中年女が病院から帰宅。

兄に殴られた弟は死んでしまった事が分かります。

 

中年女と中年男は勝手に葬式を始め、ぞろぞろと屋敷に人がやってきます。

 

主人公『そこには座らないで。そこの部屋は入らないで。私たちの寝室でやらないで!』

 

迷惑客達勝手に屋敷に上がられてウンザリ。

そして、迷惑客達にキッチンを壊され、屋敷じゅうが水浸しになります。

 

主人公『出ていけ!!!!!今すぐ屋敷から出ていけ!!!!!!!!!』

 

激怒した主人公に驚いたお客は退散。

 

旦那『落ち着いてくれよ。』

主人公『あなたは私を愛していない。だった一度も寝てくれないじゃない。』

 

普段は温厚なのに激怒した主人公を見た旦那。

二人はそのままベッドイン。

 

翌朝、

目覚める主人公。

 

主人公『妊娠しているわ。わたしには分かるの。妊娠しているわ。』

 

旦那『やった』

 

旦那は、裸のままペンを取り、詩を書き始めます。

主人公の妊娠はスランプ中の旦那の創作活動にインスピレーションを与えたよう。

そして遂に旦那の新作が完成。

 

時が経ち、

出産間近の主人公。

旦那の新作祝いのために手の込んだ料理を準備しウキウキ状態。

 

しかし、旦那のファンが屋敷に大量に押し寄せてきます。

 

壁にオシッコをする人

勝手に壁にペンキを塗りたくる人

 

屋敷を荒らされまくる主人公は混乱。

 

主人公『Nooooooooooooooooooooooo!』

 

主人公が怒り(痛み)の叫びを上げると、屋敷が大きく揺れます。

 

お腹の子供をかばいながら主人公は安全な部屋を探すかのように移動すると、

 

・人々が屋敷のモノを盗んだり喧嘩をしたり、

・まるで戦時下のように捕らえられた人々を銃で殺害する人がいたり、

・牢獄に捕らえられた女たちの叫びがあったり

・今度は軍隊のような特殊部隊が銃撃戦をしたり

など

 

屋敷の中は超カオス状態。

 

そして、旦那を教祖のように崇める異常な人々。

 

旦那に連れられ静かな部屋へ隠れる主人公。

 

そこで破水。そのまま赤ちゃんを出産します。

 

子供を抱きかかえる主人公。

 

旦那『子供を抱かせてくれ』

主人公『嫌よ。』

 

旦那に対して不信感のある主人公は赤ん坊を渡しません。

しかし、少し眠ってしまった際に、赤ん坊を取られてしまいます。

 

主人公が部屋を出ると、赤ん坊を抱える旦那。

そして大衆に赤ん坊を渡すと、そのまま首を折られて殺されてしまいます。

 

主人公が赤ん坊のところへ向かうと、肉と血の塊に。

そして大衆は赤ん坊の肉の塊を食べています。

 

主人公は激怒。

そのままガラスの破片を手に取り、大衆を刺し始めるも、殴られ蹴られ、洋服をはぎ取られの返り討ちに遭います。

 

『この売春婦!』

 

旦那が助けに入るも、主人公は旦那にも激怒。

 

そのまま地下のオイルタンクのところへ向かい、火をつけます。

 

どっかーん!!

 

オイルタンクは爆発し、屋敷中が火に包まれ、大衆も含めすべてが灰と塵になります。

 

全身大火傷で息絶え絶えの主人公と、何故だか無傷の旦那が生き残ります。

 

主人公『あなたは一体誰なの?』

 

旦那『実は僕は神なんだ。僕は君の愛が欲しいんだ。』

 

主人公『良いわよ。私の心臓を取って。』

 

旦那は主人公の懐に腕をつっこみ、心臓を取り出します。

そしてその心臓は美しい宝石になります。

 

その宝石を飾ると、燃え尽きた屋敷がみるみると元の姿になっていきます。

 

場面は変わり、

若き妻(Mother)はベッドの上で目が覚めます。

 

主人公『あなた?いる?』

 

まるで最初からやり直すかのように。

終わり。


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感想

この物語は『聖書』そのもの。

 

主人公:マザーアース

旦那:神(創造主)

中年男:アダム(エデンの園で禁じられた行いをしてしまった人物)

中年女:イブ(エデンの園で禁じられた行いをしてしまった人物)

:カイン(人類最初の殺人の加害者)

:アベル(人類最初の殺人の被害者)

赤ん坊:イエス・キリスト

大衆:神を信奉する一般人

 

そして、

 

屋敷:この世そのもの

 

なのでした。

全てがメタファーでありシンボル。

屋敷という箱庭の中で聖書の物語を再現。

 

穢れを知らない純真無垢の主人公。

ペンキを塗ったり美しい装飾品を置いたり、赤ん坊を産んだりと理想の屋敷(世界)での生活を構築する中、中年男(アダム)と中年女(イブ)、兄(カイン)と弟(アベル)、そして欲深き大衆によって滅茶苦茶にされ、自身の子供(イエス・キリスト)をも殺され、最終的には自ら理想の屋敷(世界)を火の海にしてしまいました。

 

理想の世界を想像するのには純粋すぎた。

純粋が故の挫折。

いっそこんな汚い世界をすべて壊してしまおう。

 

一方で、

神はマザーアースの純粋無垢さが好き。

でも、周囲の欲深き人々によって、マザーアース自身にも欲や好奇心に気づいていく。

 

そして、すべてを破壊した後にもう一度理想の世界を造ろうと神は考える。

でも何度繰り返しても上手くいかない。

そんな存在しないようなユートピアを求めて神はマザーアースとの人生を何回も繰り返すのかもしれない。

 

そんなお話。

しかし、神(旦那)がマザーアース(主人公)の怒りに油を注いでるのも確か。

一体彼の求めている『愛』とは何だったのか。

 

聖書のお話とはいえ、現実世界とリンクしているため様々な想像力が膨らむ本作。

とんでもなく素晴らしい映画。

というか、聖書の創造性に脱帽です。