映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
バンコクにて『World Film Festival2017』というイベントが一週間程度にわたり開催されており、世界中の名作映画が軒並み上映されていました。
ちょうどチェンマイに一週間旅行に出かけていたので、最後の二日のみの参加となりました。が、ちょうど一番観たかった『ELLE』を鑑賞することが出来て超ラッキーです。劇場は満員御礼状態でした。

内容
概要
鑑賞前は、『レイプ被害者の苦悩や怒りの映画かな』
と思いましたが全く違いました。
本作で主演のミシェルを演じるイザベル・ユペール。フランス映画界のメリルストリープさんは、なんとオスカー大本命の一人であり、見事ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞しました。
確かにすげえええ演技。一生忘れられないキャラクターでした。
↑ゴールデングローブ賞のスピーチは素敵でした。映画にボーダーラインは無いの。
レイプ被害者という役柄のためか、数々の大女優(ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、ジュリアンムーア、シャロンストーン,,etc)に断られ、最終的に白羽の矢が立ったのがイザベル・ユペールでした。そんな衝撃的な役どころを完璧に演じていました。
断る理由もわかる衝撃的な役どころ。還暦を迎えているのにめちゃくちゃセクシーです。
簡単なネタバレ

冒頭
ミシェルは、覆面を被った男にレイプされています。
その後、荒れた部屋を片付け、湯船につかる彼女。何か複雑な表情を浮かべる彼女。
ミシェルの父親は、大量殺人鬼で現在も服役中。幼少期にパパラッチに追われた経験から、レイプに関しては警察に話して大事になるのを嫌い、秘密にしておくことにします。
レイプ魔に備えて、トンカチやスプレーを購入するミシェル。
ミシェル『でも、一体だれが、、、』
ミシェルは犯人捜しを始めます。

ミシェルは少しエロ目なビデオゲームを作っている会社の敏腕女社長。社員と口論を頻繁にするものの女社長の腕を見せています。そんな出来る女に、会社のおタッキーな社員も少しメロメロ。
ミシェルの母親は、若い男(明らかに金目当てっぽい)と同居中。
ミシェルの息子とは何となくうまくいっていない。
元旦那は若い美人とお付き合いしていて何とも複雑な気持ち。
ミシェルはビジネスパートナーでもあり親友でもあるその旦那と絶賛不倫中。

そんな浮気中のミシェルですが、隣人の銀行マン・パトリックに夢中で、彼を双眼鏡で眺めながら一人、マスターベーションをする日々。

クリスマスパーティを開くミシェル。
息子とその嫁、元旦那とその彼女、親友とその浮気相手である旦那、ミシェルのお母さん、そして隣人のパトリックとその妻を招待します。
ミシェルは机の下から、足で股間をもんだりとパトリックを誘惑します。

パーティが終わりに近づくと、ミシェルのお母さんが倒れます。
病院に運ばれるさなか
『お父さんに会って』
そう遺言を残し、亡くなります。
ある嵐の夜、隣人のパトリックはミシェルの家の窓が割れないように、二重窓を閉めに手伝いに来てくれます。
そして、隣人パトリックを誘惑するミシェル。
パトリックもまんざらではありません。
しかし、、
パトリック『Im Sorry、、』
妻に対して罪悪感を感じたパトリックはミシェルの家を出ていきます。
↑一応二重窓を閉めるのを手伝うシーンですが、色っぽくて笑えました。
少しの時が経ち、
ミシェルは以前と同様に、覆面を被った男にレイプされます。
ミシェルの必死の抵抗で、レイプ魔の手をハサミで突き刺し、覆面をはぎとります。
なんと、レイプ魔は隣人のパトリックでした。
パトリックはレイプでしか感じないようです。
隣人でありレイプ魔を追い払ったミシェル。
その後、母の遺言通り、父に会いに行くミシェル。
しかし、父は刑務所の中で首をつって自害していることが分かります。
ミシェルに合わせる顔が無かったようです。
その帰り道、ミシェルは事故に遭います。
親友や元旦那は留守番電話で出ない。
そうだ彼に助けを頼もう。
男『大丈夫か?』
ミシェルが助けに呼んだ男はレイプ魔のパトリックでした!!!!
パトリック『足のけがを治療しないと』
ミシェルの家に到着する二人。ケガを治療するパトリックに向かってミシェルは問いかけます。
ミシェル『腕のケガはどう』
ミシェル『どうしてあんなことしたの?うふふ、、、』
パトリック『必要だったからだ』
その後、二人はレイププレイをしあう仲になります!!!
結構本格的に。
『好きな男ととならレイププレイも悪くない』
2人の秘密の関係は続きます。
しかし、そんな最中も息子との関係が上手くいっていないことに悩むミシェル。
ある時、いつものようにレイププレイ中に息子が帰ってきます。
まさかプレイだとは思っていない息子は、母ミシェルを助けるために木の棒でパトリックを殴り殺します。
パトリック『なぜ?』
息子に助けられた形になったミシェル。息子は殴り殺してしまったので勿論動揺しています。
しかし、ミシェルは不敵な笑みを浮かべています。

魔性の女、爆誕。気分や女に惑わされる人たち。
感想
『レイププレイ』を楽しむ主人公。
『好きな男とセックス』を楽しむ主人公。
『息子』の気を引きたい主人公。
性的倒錯者なのか、それとも単に好奇心が強いのか、、、
最初は、レイプ被害者を扱ったシリアスな映画かと思いきや、ミシェルをはじめ、全ての登場人物が何かおかしい。
映画を観ていると、そんな違和感を感じるのです。
むしろ、登場人物皆、キャラがたっておりブラックジョークを言いまくるので、会場中が笑いに包まれていました。
レイプ被害者が主演の映画なのに、コメディ、というか、、、そんな不思議な感じ。でもサスペンスでもある。
本当のレイプ被害者の人が見たら憤慨するだろうしなと。アメリカや日本では作ることが難しそうな題材。
おフランスだからこそ、の映画です。
こんな映画見せられたら、他の映画がちんけに見えるくらいの衝撃です。
その他、
数々の名言が繰り広げられる本作。
主人公もぶっ飛んでいますが、他の登場人物も随分とぶっ飛んでいます。
『あんたのあれ、見せてくれたらクビにしないであげる』
『あなた、ユダヤ教だと思ったけど、割礼していないのね。』
『わたし、あんたの旦那と浮気してるわ、何か問題でも?』
『死体プレイ、最高だったよ』
『おれはな、殺人鬼の妻と寝たんだぜ』

とにかく、みんな性に奔放。
フランス映画って生々しくて素敵ですね。
世界にはいろいろな人がいる。
最早、このご時世、『普通』なんて定義、無いですよね。
みんな何かしらの特異点があるんですから。
日本人なんて変態ばかり。日本のAVを見ればその創造力の豊かさは世界一です。
そんな変態でアウトローな世界を描いた『ELLE』。
間違いなくお気に入りの一つ
*(Photo credit: IMDb)
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