映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

映画『レディ・バード(原題:Lady Bird)』を鑑賞しました。
最高の青春映画、爆誕。誰もが通り過ぎた青春時代の記憶が蘇る。
簡単なあらすじ
高校3年生のレディ・バードが、進路や家族、恋や友人に悩む。
概要
アカデミー賞作品賞の大本命。
映画批評サイト”Rotten Tomatoes”で史上最高スコア100を獲得。
主人公レディ・バードの母親との関係や学校生活を描く。
恋愛
友達
家族
進路
誰にでも経験する青春時代を鮮やかに描く、素晴らしい映画。
出演者
シアーシャ・ローナン(クリスティーン、レディ・バード)

映画『つぐない』のアイルランド出身の金髪碧眼の天才子役がスクスクと成長し、大人の女性へ。
それに伴い、演技力も磨きがかかり、アカデミー賞主演女優賞に2年連続でノミネート。
主人公『レディ・バード』は彼女が乗り移ったかのよう。
ローリー・メカトーフ(母親)

グレタ・ガーウィグ

本映画の監督。
女優としても大活躍。
ネタバレ
主人公クリスティーンは自分の事を『レディ・バード』と自称しており、周囲の人間も主人公を『レディ・バード』と呼んでいます。
『わたしの事はレディ・バードって呼んでね』
カリフォルニア州、サクラメントに住むレディ・バードは高校3年生になる頃で、そろそろ大学進学を考え始める時期。
レディ・バードと母親は、オープンカレッジの帰り道、車中で口論になります。
レディ・バード『わたしはサクラメントのような田舎街の大学に行きたくない。文化的で刺激的なニューヨークの大学に行きたいわ。』
母親『そんなのだめよ。都会に行ったら非行に走って人生台無しになるんだから・・・』
レディ・バードは母親と口論になり、走行中の車から見を投げ出します。
結果、骨折。

場面は変わり、
高校に行くレディ・バード。
カトリック色の強い学校ですが、レディ・バードはいつもかったるそう。
祈りも適当、合唱も適当・・・
そんなレディ・バードも、ちょっとぽっちゃり体型の親友ジュリーと仲良く過ごし、兄の働くスーパーマーケットでたむろってはだべる日々。

↑『The 反抗期』のレディ・バード
ある日、
レディ・バードと親友ジュリーは演劇クラブに入部。
一緒に参加していた男の子ダニーに一目惚れするレディ・バード。
アプローチの末、二人はデートする仲に。
レディ・バード『あの星はわたしたちの星よ♥』
二人は夜空を見上げてそんなロマンチックな会話を楽しみます。
その後はマリファナを吸ったり、パーティーで騒いだり、キスをしたり。
一方で、
レディ・バードと母親はいつも喧嘩ばかりです。

演劇クラブの本番も大盛況。
大歓声で幕を開けます。
ダニーともラブラブです。
演劇の打ち上げパーティーに参加するレディ・バード。
しかし、
男子トイレの中で男の子とキスをするダニーを発見。
その晩、レディ・バードは泣きながら親友ジェニーと過ごします。
それからというもの、レディ・バードはダニーを徹底的に避けますが、ダニーに告白されます。
ダニー『ごめん。でも辛かったんだ。自分がゲイだと誰にも言えなくて。』
号泣するダニーを抱きしめるレディ・バード。
二人は友人に戻ります。

レディ・バードがカフェでアルバイトをしていると、テラス席に一人座り、本を読む男の子カイル。
カイルは学校の人気バンドのメンバーの一人でもあり、超イケてる男の子。
レディ・バードはカイルに近づくために、カイルと同じバンドメンバーと付き合っている学校で一番イケてる女の子に近づきます。
レディ・バード『ねえ、わたしたち友達になれると思うわ。』
作戦が功を奏し、学校一イケてる女の子と友達になり、そのままカイルと良い関係になるレディ・バード。
レディ・バードはカイルにヴァージンを捧げます。
しかし、
レディ・バード『あなたも童貞って言っていたじゃない。どうして嘘ついたのよ』
イケイケで遊び人のカイルは悪びれる様子もなく、レディ・バードは怒って部屋を出ていきます。
迎えに来てくれたお母さんを見ると、泣き出してしまいますが、お母さんはただ抱きしめます。
一方で、
カイル含めイケイケグループとの交流が深まるレディ・バードは、親友ジェニーとの関係が疎遠になっていきます。
場面は変わり
レディ・バードと母親は、卒業式のプロム用の衣装を買いにスーパーマーケットへ行きます。
レディ・バード『これはどう、素敵じゃない?』
母親『似合わないわ』
レディ・バード『どうして、いつもわたしの事を否定するの。ただ可愛いね、似合うねって言ってよ。わたしを愛してよ。』
母親『あなたを愛しているわ。だから本当のことを言うの。あなたはわたしよりも素晴らしい人生を送ってほしいの。』
レディ・バード『わたしの人生はこれで素晴らしいわ』
二人はいつも口論。

レディ・バードは、大学からの合否の手紙に一喜一憂。
ほとんどが不合格ですが、何とかニューヨークの大学だけは補欠合格に。
しかし、母親には、地元サクラメントの大学に行く、と伝えているので内緒にします。
プロムの日。
レディ・バードはドレスアップし、カイルに迎えに来てもらいます。
カイル『プロムなんて行かないで、もっとクールな所に行こうぜ。』
レディ・バード『わたしはプロムに行く。車から降ろして』
レディ・バードはカイルに嫌気がさし、そのまま疎遠だった親友ジュリーの家へ。
そこにはプロムへ行く相手のいないジュリーが。
レディ・バード『ジュリー、今までごめんなさい。プロムに行きましょう。』
レディ・バードと親友ジュリーはプロムへ行き、二人でダンスを踊ります。
プロムの後、
レディ・バードと親友ジュリーは離れ離れになることを受け入れます。

卒業式の後、
家族でご飯を食べていると、そこに友人が通りかかります。
『ニューヨークの大学はどうなったの?』
レディ・バードのお母さんはニューヨークの大学に行くことは知らず、てっきり地元の大学へ進むと思っていたので、大激怒。
それから数ヶ月間、口も聞かなくなります。
9月になり、レディ・バードはニューヨークの大学へ行くことに。
空港まで送ってもらうも、お母さんは未だに怒って口を聞いてくれません。
レディ・バードは飛行機へ、
レディ・バードを空港へ降ろしたお母さんは、強がっていましたが耐えきれず涙を流し、空港へ戻ります。。

場面は変わり、
大学生活を営むレディ・バードはパーティに参加、男の子をナンパ。
レディ・バード『わたしの名前はクリスティーン』
クリスティーンは親から頂いた自分の名前を名乗るようになります。
パーティで男の子と意気投合、
しかし、飲みすぎて倒れ、病院に運ばれます。
翌朝、目覚めるレディ・バードは、寮に帰る道で教会を見つけ、中に入り聖歌隊の歌を聞きます。
教会から出たレディ・バードは電話をかけます。
『ママ、パパ。サクラメントの美しさに気づいたわ。お母さんも同じような景色を見ていたのよね。それと、わたし、お母さんとお父さんの事、どれほど愛しているかって気づいたの。愛しているわ』
終わり。

↑親元を離れて気づく親の有り難みと愛情。
感想
誰にでも通り過ぎる青春時代。
新しい出会い、新しい出来事が増えていく。
進路に悩み、親との関係に悩み、友人関係にも悩み、恋にも悩む。
でも、その1つ1つが新鮮であり、その1つ1つが大切な思い出。
高校卒業時には、友人や家族、そして故郷を離れ、別れを経験する。
そのときに何か、今まで感じた事のないもの感情が生まれる。
そんな忙しい数年もあっという間に過ぎ去っていき、歳を取るにつれ、あの青春時代の記憶もどこかにしまってしまう。
退屈な高校時代だったな。。。
そんな印象で固められていた自身の記憶。
この映画を見た帰り道、高校時代のしまっておいた思い出が蘇ってきた。
友達と仲良くなったり疎遠になったり
先生に反抗したり生意気な態度を出したり
親を好きになったり嫌いになったり
人を好きになってウキウキしたり落ち込んだり
そんな数え切れないほどの思い出が溢れてきました。
自分の青春時代は最高だった。
自分も人並みに青春時代を過ごしたな。
自分の青春時代も映画のように素晴らしかったな。
そんな事に気づかせてくれた映画。有難う。
誰の青春時代もそれぞれが素晴らしいし、映画のようにキラキラしているのだな、と思いました。