映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
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映画『たかが世界の終わり(原題:It’s only the end of the world)』を鑑賞してまいりました。
喧嘩はやめて!

昔からイライラしている人や怒鳴り散らしている人を見るのが本当に嫌でした。
なので、激昂するような人は出来る限り避けています。
本作の登場人物(兄、母、妹)は怒ってばかり。怒鳴ってばかり。
もうその時点で映画館を飛び出したかった。
90分間、ずっと怒鳴っている人をみるのは苦行です。
というか役者さんが上手すぎたんでしょうね。
それでも、主人公の気持ちが痛いほどわかります。
受け入れられる
理解してもらえる
歓迎してもらえる
そんな希望を持って家族を訪れたら、何も関心を持ってくれなかったときの気持ち。
ドラン監督の凄さを改めて実感しました。

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Contents
超簡単なネタバレ
主人公ルイは12年ぶりに実家に帰郷した。
その理由は『残り少ない命だということを家族に伝えるため』
しかし、12年ぶりに帰った実家は以前と変わらず、というか以前よりも悪化しているような最悪な環境。
家族の絆のような結束は無く、みんながいつも言い争ってばかり。

ルイが帰ってきたことを喜ぶ家族、一方で、ルイよりも自分のことをペラペラと語りだす一行。(どんだけ余裕ないんだ。)
ルイ『後悔しているんだ。自分のしたこと全て。』
そう主張するルイ。(もしかしたら気を遣っていったのかも。)
おそらく、12年間の間で家族は何か変わったに違いない、そんな希望を抱き、帰郷を決意したのだと思います。
しかし、家族の崩壊、そして何故か、自分が責められているような感覚。
家族にとって、自分は単に身勝手に家出をした存在でしかない。
失望。
ルイの表情は暗いです。
ルイに関心を持つ人はいません。
みんな自分の不満、主張ばかり。
母『次に帰ってくるまでには、もっと良くなっているから』
母もわかっていました。この最悪な環境を。

ルイは到着したその日に、再び家を出ることを決意。
もう戻ってこないと心に誓って。
終

感想
人はそんなに簡単に変わらない。
例え数十年経っても良い人は良い人のままだし、逆もしかり。
年を取ればとるほど、自分を見つめて、自分の人生を考え、自分自身が分かってくる。
主人公ルイも12年間家族の元を離れて過ごしたことで、自分を正観し、変わっていったのでしょう。
一方、家族は12年前と全く同じ自己中心的で感情的な人々。
自分自身を正観する前に、相手の欠点ばかりを探す日々。
12年間で開いた差は恐ろしく大きいものになっていたのでしょう。
もちろん、それぞれに言い分はあるのでしょうが、感情的になった時点でもうね。

↑キャストは豪華でした。
ハリウッド映画のように、起承転結でまとまることもなく、たんたんと行われる会話劇。
確かに、鑑賞後に登場人物に関して議論がしたくなる。
そんな、登場人物に魂が宿った映画でした。
映画の中のフランス人は人間臭くて良いですよね。
喜怒哀楽がはっきりしていて、やさしかったりズルかったり。
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(photo credit: IMDb)