映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
今回紹介するのは映画「私がクマにキレた理由」
「自分探し系の映画の中では最高峰」だと個人的に思います。
Contents
簡単なストーリー
大学を卒業したてのアニー。自分の本当にやりたいことが分からず人生を迷っていたら、ひょんなことから乳母さんとして住み込みで働くことに。しかしニューヨークの勘違いセレブの奥様に振り回され、子育てとは何なのか、そして自分の本当にやりたいことは何なのか、を探します。
概要
ジュリアロバーツさん主演の「食べて祈って恋をして、セックスして、酒飲んで、文句言って、次から次へと男を乗り換えて、旅行者ぶって調子に乗って、私勝ち組だけどこんな人生良いのかしらと悲劇のヒロインぶって、というか私、ジュリアロバーツさんに悩みなんて無いわ、という根本的なミスキャスト」な映画よりも、本作は一般人に共感しやすい素敵な映画です。
原作は『Nanny Diaries』なのですが、、、、ナニー(乳母さん)の物語
日本では一部の大金持ちの人以外は乳母さんはあまり馴染みが無いのですが、アメリカ、そしてタイではとてもとても一般的です。
私の友人も、家のお手伝いさんや乳母さんに育てられた、というタイ人もいます。
超偏見で申し訳ないのですが、そういう人って良くも悪くもかなり世間とずれてます!!!


主演はスカヨハ。エイリアンから覚醒した超人、ナード、セクシー担当など役の幅がめちゃくちゃ広い、セクシーなのになんだかおたっくぽい演技派スカヨハたんです。
スカヨハって、その豊満なボディのせいで勘違いされていますが、めちゃくちゃ演技派ですよね。彼女に代わる女優って他に見当たりません。ウディアレンが恋したというのも納得ですね。本作でも、なんかダサいけど心はとても優しい女の子を完璧に演じています。
その他、キャプテンアメリカことクリス・エヴァンス、ローラ・リニーなども出演しています。
ネタバレ
アニーは大学で経済学を学んでおり、現在は就活中。
ゴールドマンサックスの面接にて
『あなたはどんな人?』
そう質問されたアニーは何も答えられません。面接はもちろん不採用。アニーは自分のやりたいことが分からないのです、
帰り道に公園を歩いていたら、子供とぶつかります。そしてそのお母さんミセスXと出会います。
ミセスX「ごめんなさい、うちの子が。ところであなた名前は?」
アニー「アニーです。」
ミセスX「ナニー?あなたナニー(乳母)なの?うちで働いて!先週、乳母が結婚して辞めてしまったの。」
アニーという名前をナニーと勘違いしたため、住み込み乳母として雇われることに。

しかし、子供(グレイヤー)はわがままな子供。
暴れたり大声を出したりで大変です。
また、子供より厄介なのがミセスX。
・子供が40度の熱でもスパ三昧。
・旦那と関係がうまくいかないと、スパで3日間くらい消える。
・アニーを奴隷扱い。
・自分のこどもと触れ合わない。
・セレブ会の出席が大事
・アニーに嫉妬。
そんな時、同じアパートに住むハーバード君に出会います。
ハーバード君は良き理解者であり後に大人な関係になります。(省略)


日が経つにつれ、グレイヤーと心を通じてきたアニー。
グレイヤー「ピーナッツバターや砂糖入りの飲み物は飲んじゃダメってママが。」
アニー「いいのよ、美味しいから。でも秘密よ。」
グレイヤー「地下鉄に乗っちゃいけないって」
アニー「いいのよ、でも秘密ね」
グレイヤー「アニーは途中でいなくならないよね?」
アニー「・・・・」

一方で、ミセスXの夫婦仲は破たんしています。旦那は浮気三昧ですが見て見ぬふりです。
そんな夫婦の関係も、ミスターXが結婚記念日の食事をドタキャンし、どん底に。
また、アニーは、ミセスXの会話を偶然聞いてしまいます。
ミセスX「ナニーカメラ(隠しカメラ)をしかけたの。そろそろクビにする時期かしら」
ニューヨークのセレブ妻は、ナニーを使い捨ての何かのように扱っている様子が分かります。

ミセスXの提案で別荘に行くことに。
しかし、夫婦喧嘩はやみません。
そして、アニーにセクハラを決め込むミスターX。その現場を見たミセスX
ミセスXはアニーのせいにします。
「クビよ」
アニー「お願い、私は良いけど、グレイヤーのために私をクビにしないで!あなたたち夫婦には問題がある。」
ミセスX「あなたに何が分かるの?」
そうして最後のお給料を貰い、クビになったアニー。
お給料の中身を見てびっくり、少なすぎて唖然としてしまい、お給料は風で飛んで行ってしまいます。(笑)

そして、家に荷物に取りに来たアニー。
ついにクマにキレます。(わたしがクマにキレた理由です。)
クマのぬいぐるみの中には小型の隠しカメラ(通称・ナニーカメラ)が隠されており、アニーはずっと監視されていました。
そのため、もう二度と会うことはないであろう勘違いビッチ妻、旦那とそのセレブコミュニティに今までの怒りをぶちまけます。

後に、ビデオを見つけたMrs Xはセレブ会で上映することにします。
しかし、思っていた内容とは違っていました。
アニー「あんたたち、よく耳を澄まして聞いて!人々はあんたたちのことが大嫌い。そんなに若さを保つことが大事?そんなにエステに行っておかしいと思わない?子供が40度の熱があるのに、ほったらかしにしているなんて母親失格よ。私が若くてお尻が上がっているのがそんなに悔しい?あなた私にちょっかいだしたけど、覚えておいて。私があなたの子供を育てたのよ。」
アニーは続けます。
「子供はアクセサリーでもないし、カタログでオーダーするものではない。子供はお母さんを愛しているの。高いごはんを食べたり、フランス語のレッスンに行ったりするんじゃなくて、一緒にいるだけで良いの。だって子供って本当に本当に素晴らしい宝物なのよ」
アニーの言葉に心を打たれたMrs Xは涙を流して、集会から一人出ていきます。
ハーバードホッティとデートのアニー。そこで待っていたハーバードホッティ。
「MrsXから手紙を預かっているよ」
アニー「怖くて読めないわ」
ハーバード「僕が代わりに読んであげるよ」
手紙
愛するアニーへ。(ナニーではなく、初めて本当の名前で呼ばれて驚くアニー。)
あなたが行っていたこと、全て正しかったわ。
グレイヤーは私にとって宝物。彼のことが一番大切だわ。
夫とは別れたわ。
グレイヤーがあなたを忘れてくれるまで凄く時間がかかったわ。
ごめんなさい。そしてありがとう。
アレクサンドラ(初めて名前を知ります!)
アニーは感謝の気持ちを綴った手紙に驚きつつ、笑顔に。
そしてこの経験をレポートとしてまとめ、自分が本当にやりたいこと「大学院で文化人類学を勉強する」という夢を叶えました。

感想
ニューヨーク、というかお金持ちの勘違いっぷりや非常識さと共に、自己愛の強い人たちの様子がまざまざと見られます。
この映画、「文化人類学」のごとく、ニューヨークのセレブたちを、まるで珍獣動物かのように観察しています。
大学を出たアニーにとって、ナニー(乳母)の仕事は相応しくない。そう周囲は批判します。
でも、アニーは来るものを拒まずにナニーとなり、結局、その経験をレポートにし、見事、自分の本当にやりたかった「大学院で文化人類学を勉強する」という夢を叶えます。
「一見無駄に見えることも、最終的には無駄にはならない。それを活かすどうかは自分次第」
そんなことを教えてくれました。
もしかしたら、最初に公園で子供にぶつかったのは、神様が引き起こしてくれたもののようにも思えます。
実は続編が小説が出ています。
読了したので、今度感想を描こうと思います。
(photo credit: IMDb)