映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
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タイ映画「Yes or No」です。

概要
レズビアン映画としてタイでは有名な本作。
タイ人の友人曰く『安い映画』だそうです。。。
二人の大学生の淡い恋を描いた内容です。
- 自分が同性愛者なのかどうか
- 自分の娘が同性愛者だったらどうするか
そんなテーマを扱っています。
同性愛に寛容なタイ。それでも偏見はまだまだ存在し、嫌悪感を示す人も存在します。
また、赤の他人なら許せるが、
「もし自分の子供が同性愛者だったら。」
周囲に受け入れてもらえるのか。
また、未だに残る男らしさ、女らしさ。
そうでないと、からかわれたり、いじめられたりするのはタイでも同じです。
「女の子は長い髪にスカートのような女性らしい服を着るべき」
一方で、
ショートカットでジーンズにTシャツ、そんな恰好はトムボーイ(レズビアン)みなされてしまう風潮があります。
主人公パイも同性愛者やトムボーイに関する偏見は最初はありました。
しかし、
実際に接することで
「実は自分と全く変わらない人間。外見だけで判断してはいけない」
単に好きになった人が女性だっただけ。それだけなのですね。
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ネタバレ
1、出会い
パイは生物学を学ぶ大学入りたてのフレッシュマン。実家から寮へ移り、部屋で過ごしていると、トムボーイのような風貌の女の子キムがルームメイトだと分かります。
そんなキムに対して嫌悪感むき出しのパイ。
パイ「レズビアンと一緒の部屋は嫌だから、部屋を変えてほしい」
そう大学の事務局に訴えるも、パイの要求は却下され、しぶしぶ部屋に戻ります。
パイ「この線からこっち側には入ってこないで!」
パイはキムに指示します。
キムに嫌悪感むき出しで避けているパイですが、パイの友達ジューンは、彼氏に振られ泣いていたところ、キムからハンカチを差し出され、かっこいい女キムに一目ぼれしてしまいます。

2、打ち解ける。
ある夜、キムは作った料理をパイにあげます。パイは美味しさに感動し、それをきっかけに二人は初めてちゃんとした会話をします。
そこから二人は、一緒にご飯を食べたり、公園でゆっくりと時間を過ごすなど、二人でいる時間が多くなりました。
次第に、心を開いてきたパイ。友人以上の何か特別な思いを感じ始めました。
キムも同じ想いです。
キム「好きになった!」
そんな告白に、まだ心の中で葛藤しているパイは、ただ笑顔で答えるだけでした。
一方で、キムに一目ぼれしているジューンは猛アタックし積極的に行動して、キムの気を引こうとしています。
そんなジューンとキムの関係を見てパイは複雑な気持ちになります。


3、パイの揺れ動く気持ち
ある時、男性ピバンがパイを迎えに学校に現れます。
キム「僕のガールフレンドのパイを迎えに来たんだ。」
そう言うピバンにキムはショックを隠せません。
キム「パイには彼氏がいたんだ!!」
そんな気まずい雰囲気の中、ピバン、パイ、キムの3人でカフェに行くことになりました。
パイが席を外しているときに、カフェにボーイッシュな集団が来ました。
それを見るとピバンは一言キムに言います。
「パイのお母さんは、ああいう人種(トムボーイ)が大嫌いなんだ。」
カフェから帰ると、パイはピバンに、
パイ「私はあなたのガールフレンドじゃない」
それを聞いたキムはホットします。
パイとキムはそれから恋人のように過ごすようになります。
ただ、パイのお母さんは同性愛者が大嫌いなので、キムとの関係がばれないように行動しています。
4、誤解
キムの事が好きなジューンも、キムとパイの関係に嫉妬し何とかして、キムの気持ちを引こうとします。
そして、
キムが寝ているところをジューンはキスをしてしまいます。
その現場を見たパイは、大切にしていたクラゲ(ジェリーフィッシュ)の水槽をたたき割り、実家へ帰ってしまいます。
実家で泣いているパイはお母さんに尋ねます。
パイ「もし、わたしが同性愛者でも、お母さんは許してくれる?」

5、二人の気持ち
キムはパイへの気持ちを示すために、パイの家へ行きます。
キム「私はパイの事が真剣に好き。だからパイのお母さんの許可が欲しい。」
パイのお母さんは大反対します。
「ホモセクシュアルは人間として適切な関係ではない。」
パイもキムに、
パイ「ごめんなさい、私はあなたとは付き合えない。」
それを聞いたキムは悲しい顔をして家を後にします。パイも涙を流して、キムの後姿を見ていました。
6、最期のパイの決断
パイが学生寮に戻ると、キムの荷物は全て無くなっていました。
パイはキムとの思い出を振り返り、自分の気持ちにけじめをつけるために、キムの実家へと向かいます。
そしてキムに言います。
パイ「今までは周りのことを気にして生きてきた。でも今は正直になれる。あなたが好き。」

終わり。
感想
「自分が同性愛者かどうかわからない。」
そういう悩みを持つことはタイ社会では珍しいことではありません。
「自分の事を理解すること、自分の気持ちに正直になることの難しさ」
そんな難しいテーマを扱った本作。
そういう人を受け入れる社会を目指すタイだからこそ、このような映画が作られるのですね。
(Photo:http://asianwiki.com/Yes_or_No_2)
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