映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
映画『Two is a family(原題:Demain tout commence)』を鑑賞してきました。

簡単なあらすじ
毎日女遊びをするフランス人のサミュエル。ある時、女性が訪れ、『あなたの子供だから』と言って赤ん坊を置いていきます。そのままサミュエルは赤ん坊を育てることに。
概要
主演は、映画『最強の2人』で主演を演じたオマール・シー。
スペイン映画”Instructions Not Included(2013)”のリメーク。

簡単なネタバレ
サミュエルはフランス人のパーティーボーイ。
仕事も真面目にせず、夜な夜なパーティーに繰り出しては、たくさんの女性と遊ぶプレイボーイ。
ある時、サミュエルが目を覚ますと、赤ん坊を抱いた女性が立っています。
『わたしのこと覚えている? ロンドンに住んでいるクリスティーンよ。去年、一緒に寝た。。。』
サミュエル『ああ、君か』
勿論覚えていません。
クリスティーン『この子、生まれて3か月なの。あなたの子供よ。』
サミュエル『そんなわけないだろ』
クリスティーン『タクシーにお金を払わないといけないの。20ユーロ貰ってもいいかしら。』
サミュエルはクリスティーンにお金を渡します。
クリスティーン『ちょっと赤ん坊預かってて。わたしタクシーにお金を払ってくるから。』
クリスティーンはそのままタクシーで去っていきます。
サミュエル『???』
赤ん坊を抱いて、途方に暮れるサミュエル。
サミュエルは赤ん坊の母親クリスティーンを探しにロンドンへ行きます。
フランス語しか話せないサミュエル。
ロンドンでサミュエルは、クリスティーンのフェイスブックの写真を頼りにクリスティーンを探しますが、
クリスティーンは見つからず、同時に全財産やパスポートも失ってしまいます。
取り残されたサミュエルと赤ん坊。
偶然出会った男・バーニーに助けてもらいます。
↑フランス映画はやたらとゲイが出てくる。
8年後
サミュエルはロンドンにて優秀なスタントマンとして活躍しながら、娘グローリアを育てていました。
時に激しいスタントで脳震盪を起こして気を失ったりもしますが、十分な収入を得ています。次第に人気ドラマシリーズの主演を張るくらいに活躍します。
娘グローリアと出来る限り一緒に過ごし、出来る限り娘のやりたいようにさせる。
そんなサミュエルの教育方針のため、学校にもあまり行かない生活ですが、学校の先生も何だかんだで理解を示しています。
そんなサミュエルのことを、娘グローリアは愛しています。

しかし、サミュエルは一つだけ娘に嘘をついています。
『お母さんは世界中で大事な仕事をしていて、ロンドンに帰ってこれないのだ』
まさか、お母さんが自分を捨ててタクシーで去っていった、なんて言えるわけもありません。
そして、毎週、娘宛てにメッセージを送っていました。勿論、サミュエルが書いています。
そして、娘はお母さんに返信の手紙を書いています。
娘からお母さん(サミュエルが書いたもの)への返信を、クリスティーンのフェイスブックに投稿していました。
ここ数年、既読にはなりませんが、いつかクリスティーンが読んでくれることを信じて。
そんな娘グローリアは、いつかお母さんが帰ってくると信じており、一緒に生活できるのを楽しみにしています。

時を同じくして、
サミュエルと娘は病院で検査を受けています。
医者『もう永くないかもしれない』
サミュエル『どのくらい生きられますか?』
医者『数年』
残りの命が少ないことを知ったサミュエルはどん底に気分になります。
娘グローリアが成長するにつれ、母の存在を求めるようになってきました。
娘グローリア『何もいらない。ただお母さんがいれば良いの。』
サミュエルがお母さんのふりをして手紙を書いているとはつゆ知らず。
『もう娘ちゃんに嘘をつくのは辞めよう。いつかバレたときにもっと悲しくさせてしまうよ』
サミュエルの友人に言われます。
サミュエル『今晩、本当のことを話すよ』
その晩、フェイスブックをチェックすると、クリスティーンに送った文章が既読になりました。
クリスティーン『明日、会いに行く。』
クリスティーンと娘、そしてサミュエルは8年ぶりに再会します。
クリスティーン『あの時はおかしかった。ごめんなさい。』
クリスティーンは成長した娘を見て感動。娘との時間を楽しみます。
しかし、クリスティーンには新しい旦那さんがいることが分かります。悲しむ娘ちゃん。
『わたしたちはずっと家族よ。』
そう言うクリスティーンに、娘グローリアは喜んでいます。

しかし、
娘と一緒に過ごすうちに心境の変化が起きます。
クリスティーン『娘を引き取りたい』
勿論、サミュエルは反対。
サミュエル『お前は勝手に捨てていったんだぞ。』
クリスティーン『それなら法廷で争いましょう』
結果。
サミュエルの勝訴。
しかし、一転、サミュエルの何らかの問題で認められなくなりました。(おそらく健康上のこと)
娘グローリアとの別れの日。
娘グローリア『わたしはパパとずっと一緒にいたい。』
サミュエルと娘は逃げ出します。
クリスティーン『これは誘拐よ。』
その時にクリスティーンは、娘の命が残り数年であることを知ります。
場面は変わり、
サミュエルは娘グローリアとフランスの故郷で暮らしています。クリスティーンは娘の幸せを考えて、サミュエルに託したようです。
そこにはクリスティーンも時たま訪れては娘グローリアと過ごしています。
『完璧な親はいない。自分もそう。でも、幸せだった。たった2000円で俺は幸せが分かった。娘は死んでしまったけれど、人生の一部。これからも』
サミュエルの回想で終わります。
終わり

感想
本作『Two is a family』を鑑賞していると、最近観た『Boyhood』や『HELP』を思い出しました。
結局、親のいざこざに巻き込まれるのは子供なんですよね。
親が罵り合って喧嘩していたり、離婚して学校を転校したり。
親は子供のためと思ってやっているんだろうけれど、不満があっても何も言えずについていかなくてはならない身分。
『完璧な親なんていない』
劇中で印象に残っているフレーズです。
確かに完璧な親はいない。完璧な人間もいないと思います。
そうは言っても、子供って親が思っている以上に敏感で賢いですよね。
不完全な親に子供が巻き込まれるのだけは勘弁。
私自身も、両親の離婚、再婚で転校を繰り返して、苗字も変わって、新しい養父と住んで、、かなりのストレスを経験したように思います。
結果的に、現在は幸せなので全く問題無いのですが、逃げ道も手段も知らない子供にとって心理的な負担はかなり大きかったように思います。
『子供は親を選んで生まれてくる。』
そんなことも言われます。思春期は色々あったけれど、まず人間としてこの世に産んでくれたことだけでも感謝ですね。
(Photo credit: IMDb