映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
タイ映画『Oversized cops』を鑑賞してきました。
タイ映画の大きな可能性。

Contents
簡単なあらすじ
太りすぎが原因で、強盗犯に逃げられた警察官4人組。
上司からダイエットを強いられ、ダイエットできなければ解雇、
悪戦苦闘するコメディ映画。
概要
日本で一躍有名になった『アタック・ナンバーハーフ』のプロデューサーが一枚噛んでいるということで、抱腹絶倒、映画館が爆笑の渦に巻き込まれていました。
あまり映画館で笑わないわたしも何度も爆笑。
タイのコメディ映画は正直、お決まりネタというものがあるのですが、何度見ても面白い。
例えば、
・ブサメンの男性には厳しい女性も、ハンサムな男性には目をハートマークにして、とろけるような目線で見つめる。そしてちゃっかり連絡先を渡したり、、
・死んだと思って泣いていたら、ただ寝ていただけだったり、
など、ありきたりなんだけど、効果音とかスローテンポを活用したりと、なんだかそのストレートな感じが新鮮で興味深いです。
ジョークも頻繁に飛び出てきて、日本映画やハリウッド映画には無い、素晴らしさがあります。
そういえば、
タイ人は凄まじくジョークを頻発する方が多く、ユーモアセンスも凄まじいです。
いつも笑わされます。
タイ人の友人曰く、
『警察はタイ人の間ではかなり評判が悪く、好かれていない。』
とのことです。
汚職、わいろ、隠滅、、、タイの警察は世間がイメージする悪徳警官そのもののようです。
もちろん素晴らしい警察官の方が多数派ですが、少数の悪い人が注目を浴びるのはどこも同じですよね。
それでも、多くのタイ人が警察官になりたがるのも事実。不思議ですね。
劇中でも、『警察が嫌い』ときっぱりと主張する女の子に対して、
『でも、悪い奴らを捕まえるのは俺らだけだよ。』
そんな、嫌われ者の警察官の叫びも垣間見える作りになっていました。

↑合計0.4㌧の殿方。
超簡単なネタバレ
銀行強盗を逃した4人の警察官。理由は太りすぎて、4人が乗っていた車が坂道を登れなかったため。
その動画がSNSで流れ、4人の警察官は一躍有名人(笑われ者)
仲間内でも馬鹿にされています。
警察官のお偉いさん『3か月で痩せなかったら解雇ね。』
4人の警察官の上司(キャプテン)は彼らを痩せさせるべく、ダイエットの指導をします。
・厳しい食事制限
・厳しい運動
なぜ、そんなに僕たち4人のことを気にかけてくれるんですか?
キャプテン『僕も昔は太っていていじめられていたんだ。黒豚って言われてたんだよ』
一か月後の身体測定。
4人のうち、一人を除いて全く痩せていませんでした。
『もう警察辞めるよ。警察の仕事よりも食べることの方が好きだから。』
そんな時、連絡が。
『キャプテンが犯人に銃撃されて重傷。』
4人が病院に向かうと、キャプテンは命を取り留めていました。
『デブでも、きちんと悪い人を捕まえれば、体形なんて関係なく認めてもらえる。』
そう気づいた4人。
4人は自分達の重さを活かして犯人を捕まえます。
終
感想
『ダイエット』
それは永遠のテーマ。
人生で未だかつて体重を気にしたことが無い人ってこの世に存在するのでしょうか。
『痩せたい人』『太りたい人』『維持したい人』
目的は様々。
それぞれの方法で、自分の身体と精神にとって心地の良い生活をする。
世の中に存在する無数のダイエット術。
『そのままのあなたが美しい』
他人には簡単に言える言葉だし、本当にその通りなのだけれど、いざ、自分が言われると、
『そんなことございません。(まだまだ完璧じゃないわ!)』
『ストイック』に頑張って身体を維持。時には、嘔吐術で体重を維持する方も。
インスタグラムやブログ、写真集や雑誌の加工されたモデルの写真を見ては凹む日々。
でも、一番つらいのは本人かもしれません。
虚像の自分がもてはやされ、いざ実際に会ったら写真と違うと非難される。
本当の自分がいつのまにか虚像の人間になり、その虚像の自分を追いかけるために、努力して自分を追い込んでいく。
名声とは別に、何か大切な、リアルな自分自身を見失っていく。
そんな負の連鎖。
そういう意味でフォトショップはかなりの罪人ではないでしょうか。
『奇跡の一枚』
実際には本人なんだけど、奇跡の一枚。
それを眺めては悦に浸り、一方で鏡に写る自分は別人のよう。
一体、自分の本当の姿はどれなのか。
化粧前と化粧後の自分はどっちが本当なの?
昔の若いころの自分と今の自分は??
雑誌でイケメン白人モデルが着用していたジーンズを自分が履いてもみると、まるで
『佐渡おけさ』と『リオのカーニバルダンス』くらいの差に。(分かりにくい。)
見た目は全てではないけれど、少しでも美しくなりたい。たとえそれが自己満足だとしても。
『足を長くするのはもう無理』
『顔を小さくするのも無理』
そうなったとき、改善可能ポイントは体形のみ。
私自身、ルックスにコンプレックスがあったのでジムで運動しまくっていました。
留学していた時は、周囲の白人が185センチ以上ばかりで、自分がホビットになったように感じたりもしました。
でも、一つ気づいたんです。!!
『現時点で、少なくともセックスする相手にも困っていない、ある程度モテルし、まだ十分若い。もし、モデルのようにかっこよくなったら、これ以上どうしたいの?身長が185センチになったら今さら人生変わる?』
確かに!!
幸運にも、パパとママは『ある程度のルックスと健康な身体』を授けて産んでくれました。
『もっとイケメンに、もっとマッチョに、もっとモテたい、もっと褒めて、もっと、もっと、』
そんな欲が出て、モデルみたいな美しい顔形になりたいと思ってきました。
でもね、気づいたのです。
もし、そうなっても人生そんなに変わらない。
同じようにセックスして、デートして、、、
少しばかりのモテ度と自分への自信度があがるだけで、すぐに元通り、今と同じような生活を送るだろう。
そして何よりも、恋人や友人や家族に恵まれているじゃないか。
そう思った瞬間、
今の姿形で十分に満足した幸せな生活を送っているのに、どうしてこれ以上求めようと思うのだろうか、そんな疑問を自ら感じました。
『モデルのように美しい人になりたい』
これは真実。
でも
『今のままで十分でしょ。今あるものに感謝したら?』
これもまた事実。
『美しい人が得をする』
これは事実。しかし、いつまでも若いままでいられるわけではない。
『心の美しい人は愛される。』
これも事実。心の美しさは色あせることなく、輝きを増す一方。
これから死ぬまでルックスに関する追求は続いていくのでしょうが、美しい芸術や自然に触れて、『心の美しさ』を磨く。
これがわたしにとって人生の目標です。
世の中には自分の体形のせいで人気が出ない、と嘆いている方もおりますが、人間とは不思議なもので『捨てる神あれば拾う神あり』。
人間の好みは無限大。
よくできていると思います。神様、すげー。
↑世界で爆嬉した、ポッチャリ女子への応援歌
(Photo credit: Youtube.com)