タイ映画『サムイの歌(Samui Song)』ネタバレ&内容 邪魔な旦那を暗殺してほしい主人公は、ヒットマンを雇うが・・








映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

タイ映画『サムイの歌(Samui Song)』を鑑賞して参りました。

うううう、分かりにくい・・・

簡単なあらすじ

邪魔な旦那を暗殺してほしい主人公は、ヒットマンを雇うが・・

概要

『お金持ち外国人と結婚する』

そんなタイドリームを果たした女の人生。

国際的な映画祭にも出品されたタイ映画界の自信作。

 

『性』

『死』

『金』

『女と男』

 

タイ映画ってドロドロしていて好き。

出演者

プロイ・チャーマン

タイが誇るトップ女優。

タイ・ゲイ映画『Love of siam』での主人公のお姉ちゃん役から、『Teacher’s diary』の優しい先生など幅広く活躍。

本作でも女優役ですが、彼女の女優人生とマッチする所があるそう。

ちなみに『プロイ』はタイ語で『宝石』という意味です。

ネタバレ

1,出会い

主人公は自動車を運転し、森の中を走っています。

すると、突如、道端に人が倒れているのを発見。

 

主人公はハンドルを切り、自動車は木に激突します。

 

病院に行く主人公。

そこでガイ・スペンサーという男に出会います。

 

ガイ『タバコを一本くれないかい』

 

主人公『・・・』

 

ガイは美人の主人公をナンパ目的でタバコをもらい、そのまま口説き続けるも、主人公は全く興味を示しません。

 

ガイ『どうして病院に来たの?』

 

主人公『事故っちゃって。あなたは?』

 

ガイ『お母さんのためさ。ガンでアルツハイマーでもうヤバイ状況さ』

 

ガイは主人公をランチに誘います

そこで私生活の不満をぶちまける主人公。

 

主人公『うちの旦那がカルト宗教にハマっていて大変なの。たまに暴力も振るわれる。でも旦那はお金持ちだし、別れたら惨めになるから別れられないわ。』

 

ガイ『俺のフィリピンの友達と同じだな。旦那が最悪なヤツだったけれど、友達は救われたよ。だった翌日から突然旦那が姿を消して、そのまま現れなくなったんだから。』

 

主人公『わたしの旦那もそうなれば良いのに。』

 

ガイ『・・・そうすることが出来るよ。』

 

主人公『???あなた、映画みたいな事言うのね。』

 

ガイ『僕が必要になったら、ここに連絡をくれ。』

 

ガイは暗殺を行うヒットマンであることが分かります。

主人公は家に帰ります。

大きな家にフランス人旦那と二人。

しかし、主人公と旦那は別室で寝ています。

 

旦那は陶芸家。

作品は女性や男性の下半身。

旦那は一人、マスターベーションをする日々。

 

主人公は女優。

『お金持ちの外国人旦那と結婚する』というタイ・ドリームを叶えた一人として人気者ですが、実際は問題ありありの夫婦。

 

ある時、

主人公は旦那に連れられ、旦那が信仰しているカルト宗教の集会に連れていかれます。

そこでは、教祖を崇める人々。

しかし、主人公は冷めた目でその光景を眺めています。

 

主人公『もう帰るわ』

 

集会の途中で帰る主人公。そしてその主人公を見つめる教祖。

家に帰る主人公と旦那。

 

主人公『あんな宗教おかしいわ。みんな騙されているだけじゃない』

 

旦那『そんな事は無い。』

 

主人公『あんたがいくら教祖を崇拝したって、あなたの小さくて役に立たないペニスはどうにもならないのよ。』

 

旦那はカッとなり、主人公をビンタ。

旦那のペニスは不全であり、それが理由で旦那は『性』に関してコンプレックスにもなっており、それが芸術へと昇華されている一方で、宗教にはまった原因とも考えられます。

 

ビンタされた主人公は荷物をまとめて出ていきます。

 

そして、冒頭の場面に繋がります。

 

主人公は自動車を運転し、森の中を走っています。

すると、突如、道端に人が倒れているのを発見。

 

主人公はハンドルを切り、自動車は木に激突します。

場面は変わり、

主人公の家に教祖がやってきます。

 

旦那『わたしの妻はあなたのものです。』

 

教祖は主人公の寝室へ入り、そのまま主人公に強引に身体の関係を結ばせます

 

事後、

一人残された主人公は涙。

ふと見つけたヒットマンであるガイ・スペンサーの名刺を発見し、電話をします。

 

主人公『今から会えるかしら』

2,暗殺

ガイの元へやってきた主人公。

 

主人公『フィリピンの友人の話は本当?あなたが殺ったんでしょ。』

 

ガイ『・・・』

 

主人公『それで、いくら?』

 

ガイ『800,000バーツ。安いと思うよ。旦那がいなくなれば君は自由だし、お金持ちのままだよ。それに、旦那がいたらこれからもずっと教祖に犯されるんだぜ。』

 

交渉成立。

 

主人公の旦那暗殺の日。

大雨の中、

ガイは主人公の旦那を銃殺、かと思いきや事情は変わり、旦那の陶芸作品(ペニスの形)で、旦那の頭を殴り続けます。

 

事後、

主人公『旦那をやったの?』

 

ガイ『ああ。それよりも暫くは俺に会いに来るな。』

3,事態は思わぬ展開へ

翌朝、

主人公が様子を見に行くと、

死んでいるはずの旦那が消えています。

 

焦る主人公とガイ。

主人公の家に警察がやってきます。

 

『旦那が500メートル先の道で倒れているのを発見しました。奥様、昨日は旦那様と一緒にいましたか?』

 

旦那は死んでおらず、そのまま助けを求めに彷徨っていた事が分かります。

主人公は嘘泣き。

そのまま、警察に連れられ病院へ向かいます。

病院には、旦那が信仰していたカルト宗教のメンバーが。

 

『今日はわたしたちと一緒に過ごしたほうが良い。』

 

主人公はカルト宗教の人々と過ごすことに。

4,指名手配になるガイ

一方で、

警察に連れられていく主人公を発見するガイ。

 

ガイ『やばい。捕まる!!』

 

ガイは逃げます。

ガイはお母さんを看病していますが、お金が無く、お母さんの薬を買う事ができません。

ガイはお金を稼ぐために主人公の旦那の暗殺を引き受けていました。

 

時が経ち、

ガイはとあるニュースを目にします。

 

『外国人男性(主人公の旦那)が何物かによって暴行された事件ですが、被害者である外国人男性は先日、亡くなりました。また、その妻であった女優(主人公)も撮影中に姿を消しました。警察はガイ・スペンサーを容疑者として追っています』

 

警察の捜査で、容疑者として指名手配となったガイ。

また、主人公も姿を消した事が分かります。

 

ガイの家に警察がやってきますが、警察を殺害するガイ。

病院で入院しているお母さんを連れて、ガイは遠くへ逃げます。

 

ガイ『あの女(主人公)、金を渡せ!』

 

ガイはお母さんを連れて、とある寺院へ。

 

僧侶『ここに泊まっていってください。』

 

しかし、カルト宗教の教祖がやってきます。

 

教祖『主人公はどこだ?』

 

教祖も主人公を探している事が分かります。

5,サムイ・ソング

数年後

陽気な歌が流れるサムイ島。

主人公は整形手術をし、顔を変え、はるばるサムイ島へやってきて、息子と共に新しい生活を送っています。

(息子はおそらく、無理やりカルト宗教の教祖に強要されたときに出来た子供)

 

主人公は、女優としての名声も地位も捨て、サムイ島で出会ったボーイッシュな女の子とパートナーとなり仲良く暮らしています。

映画関係の仕事をしながら幸せな生活を送っています。

 

ああ、幸せだわ

 

が、

ある時、ヒットマンのガイがやってきます。

 

ガイ『やっと見つけたぞ。お前がお金を渡さなかったせいで、オレのお母さんは死んだ。』

 

主人公『お金?取りに来るのが数年遅かったわ。もう無いわ。そんなお金』

 

ガイ『もうお母さんは死んだ。お金なんて必要ねえ。お前のせいでお母さんが死んだのだからな』

 

ガイはお母さんの内臓を主人公に無理やり食べさせようとします。

抵抗する主人公。

もう、ダメだと思った瞬間、銃声が・・・・

 

『Bang!』

 

何者かがガイを撃ち殺します。(誰かは分からない・・・)

 

6、主人公の夢

カルト宗教の団員とサッカーをして遊ぶ主人公の息子。

一瞬の隙を狙い、カルト宗教に捕らえられた自分の子供を連れて逃げ出す主人公。

 

サムイ島で一緒に生活をしていたボーイッシュな女性パートナーが運転する車に、息子を乗せ、いざ、というとき。。

 

『Bang』

 

何者かが主人公を撃ち殺します。

死んでしまう主人公。

 

すると、

 

『カット!!!!!!!お疲れ様でした』

 

一連の出来事はドラマの撮影!!!!!!????

 

主人公は一人ロケ車に入り、鏡を眺めています。

鏡に映る整形した自分の顔

しかし、実際は整形していない元の顔です。

 

そのまま、主人公は息子を連れ、カルト宗教の教祖と手をつなぎ仲よさげに歩いていきます。

終わり

・主人公の妄想と現実がどこからどこまでかが曖昧。

・最低でも、5,サムイ・ソングは妄想。

旦那を暗殺し、露頭に迷っていた主人公は、結局は女として、親として、女優としての人生を叶えるために教祖と結ばれる運命を選んだのだなと。それでも自由でのびのびとしたサムイ島での幸せな生活を妄想し、心のバランスを保つ。

そんな風に解釈をしました。

主人公とガイの視点が交差する演出。

もしかしたら主人公もガイもどこからが妄想でどこからが現実か分からなくなっていたのかもしれません。

そもそも最初から主人公の妄想だったのか・・・

謎。

感想

男の言いなりにならないといけない状況。

 

主人公は美人で名誉も地位もありますが、それは旦那あっての事。

旦那がいれば自分には価値があるけれど、男無しでは自分の足場は崩壊してしまう。

そんなときに、自分の自由を犠牲にして、男に合わせる人生を選ぶ女。

ステレオタイプなタイの女性像ですが、あながち間違っていないような描写に色々な思いがめぐりました。

 

『お金持ちの外国人と結婚』

 

そんなタイ・ドリームを叶えても、いつまでも女はサバイブしていかなくてはならない。

 

『こんな人生じゃなかったはずなのにな。でもわたしにはサムイ・ソング(妄想の世界)があるから大丈夫』

 

そんな、たくましくもあり脆くもある女の人生を描く本作は素晴らしかったです。