タイ映画「The Gift」ネタバレ 音楽は私たちの宝物。2016年に崩御されたタイのブミポン国王に捧ぐ、タイ映画の本気。








映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。


2016年のクリスマス、年の最後を締めくくる素晴らしいタイ映画が公開されました。その名も「The Gift」!

大満足の一本でした。タイ語のタイトルは「空からの贈り物」という意味です。

大満足過ぎて二回観てしまいました。最高のクリスマスでした!


↑出演者も今をときめく若手スターたちでめちゃくちゃ豪華です。

概要・感想

本編は3つのエピソードで構成されています。

時系列は異なるのですが、3つのストーリーに登場人物はそれぞれのエピソードで絡んでいます。

一つ目はプレイボーイのイケメンと美女の1日を描いた青春タッチのコメディ。

二つ目は認知症の父と、それを介護する娘の物語。

三つ目は会社に吹奏楽団を作ろうと奮闘する爆笑のコメディ仕立て

の3つのエピソードになっています。

個人的には、エピソード2はハンカチ必須です。認知症のお父さんが大事な記憶を失っていく様子と、それを懸命に支える娘が素晴らしかったです。エピソード3は1時間笑いっぱなしです。

テーマは「音楽」

2016年10月に崩御されたブミポン王様(ラーマ9世)が劇中テーマ曲を制作した、ということで愛された王様へ捧げる映画ともなっています。

実際、映画のテーマソング“Porn Pee Mai (New Year’s Wishes)”は1952年に王様が新年を祝う曲として書いたものです。

王様を愛していたタイ国民は、ここぞとばかりに映画館に駆け込んでいて劇場は満員御礼状態です。王様は生前からこのように主張されていました。

「音楽を愛する人々が、音楽を通して心を一つにしていく」。映画にはそんな王様の思いが十分に込められています。王様もサックス奏者として有名ですよね。

チケット代が99バーツ

愛する王様が一枚嚙んでいる本作は、多くの人に見てもらいたいという思いから、チケット代が一律99バーツなっていました。そういうお得な情報には敏感なタイ人、劇場はいつも以上に人で溢れていました。

出演者インタビュー

1)エピソード2に出演するピアノ調律師を演じた俳優・通称サニーさん

質問:この映画を多くの人に見てもらいたい理由はある?

音楽はギフトだよ。人々を穏やかにして不安を取り除いてくれたり、または痛みを癒してくれるよね。僕は映画のテーマソングの“New Year’s Wishes”が大好きなんだ。だって王様が作ってくれた曲で、タイの人々を幸せにしてくれるからだよ。王様は永遠に僕たちタイ人の心の中に生き続けるんだ。

質問:あなたが演じた”A”はどんなキャラクター?

彼はとても楽観的でとても前向きなんだ。悲観的になっても意味が無いし、いつも良い側面を見るように人々を諭す、そんな側面も持っています。

質問:監督とはうまくいった?

彼は才能ある人。でもかなり曲者なんだ。同じシーンを10回くらい撮らされたよ。僕はあまり気にしなかったけどね。(笑)


あらすじ&ネタバレ

3つのエピソードから成っています。

“Still on my mind” :イケイケ主人公君が真面目な美女に猛アタックします。

ロシアの大使を招いて、ロシアへの奨学生への記念セレモニーのリハーサル。

主人公のイケメン君は運よくロシア留学への切符を手にし、その式典のリハーサルに出席中。しかし、人手不足のため、大使夫妻の役を代わりに演じることに。大使夫妻の妻役と会った瞬間、「うわ、めっちゃかわいい」、一目ぼれしたイケメン君。女の子を口説く長い長い一日が始まります。

主人公「手をつないでもいい」

美女「嫌、あくまでリハーサル」

主人公「夫婦役だったらキスくらいした方が良いんじゃないかい」

美女「他の人と変えてもらえる?」

主人公「二人で写真を撮るね、パシャ。写真を送りたいからラインのID教えてよ。」

美女「いつもそんな手で女の子の連絡先聞いてたんでしょ。最低。分かったわ。ID教えるから写真送って。」

主人公「よっしゃ、送信!送信したよ」

美女「ありがとう、じゃあブロックするわね」

その後も主人公がしつこいので、

美女「この女の子、私の恋人なの。私たち同性愛者なの」

主人公「・・・・(絶対嘘)」

主人公は諦めない

そんな彼の態度についに折れる彼女。そう思っていた時、

主人公「僕はロシアに留学するんだ。」

美女「そう。。。」

2人の気持ちは近づいたと思ったのに、、、、

リハーサルは終わり、ついに本番の日。2人は再会します。

美女はセレモニーで代表として歌を歌います。もちろん主人公に向けて。「still on my mind(ずっと心の中にいるわ),,,」。

そして主人公は美女を見つめながら歌を聴いています。

セレモニーが終わりました。とうとう思いを伝えられなかった美女。せめて写真だけでもと思い、

美女「カメラマンさん、待ってーー」

写真を撮りためていたカメラマンさんは車で走り去ってしまいました。途方に暮れていると、主人公も走ってきます

主人公「カメラマンさーーーーん」

主人公も美女の写真を貰おうと走ってきたのです、

2人はにこっとします。

主人公「ラインのブロック解除してくれる?」

美女は微笑みました。

エピソード3で二人は結ばれていることが分かります!やったね!

 “Magic Moment” 認知症のお父さんを幸せにしてあげようと奮闘する娘の愛の物語。

「お母さんが亡くなった。」

そう連絡を受けた娘ファーは実家に帰ります。残されたのは父だけ。認知症の父親を看病していた母が亡くなり、代わりに娘ファーがお父さんの世話をすることに。

お父さん「お母さん、いるかい?お母さん、ご飯は?お母さん、お母さん、お母さん」

お母さんが亡くなったことにも気づかないお父さんに、娘ファーはてこずります。

挙句の果てに娘ファーのことを「お母さん」だと勘違い。

「私は娘のファーだよ、お母さんはもういないんだよ。」

それを聞いた父親はファーを叩いてしまいます。

お父さん「そんなわけないだろ」

家中が暗い雰囲気に包まれる中、ファーはお母さんが大好きだったピアノを弾きます。

それを聞いたお父さんは笑顔になりました。

お父さん「お母さん、その曲は二人の思い出の曲だね。」

ファーはピアノが少し壊れていたので、ピアノの調律師を呼ぶことに。

現れたのは「お母さんの親戚」と名乗るチャラそうな男性。

お父さん「お母さんはいつ帰ってくるんだ?」

そう尋ねる父親に、

調律師「お母さんはもうすぐ帰ってくるよ」と言います。

それを聞いたお父さんはとても嬉しそうです。

ファー「どうして嘘をついたの?」

調律師「全て本当のことを言えば良いってものじゃない。お父さんが幸せなのが一番じゃないかな」

調律師が来て以来、お父さんは明るくなります。そして「結婚式の日にお母さんと聞いた歌」の話を聞いたファー。ファーはお父さんの笑顔を取り戻すためにピアノの練習を始めます。

しかし、お父さんの症状は悪くなっていく一方です。挙句の果てにファーのことを、

お父さん「お前は誰だ?知らないぞ!」

自分の存在を忘れられたこと悲しむファー。

調律師「思い出の曲をお父さんに聞かせてあげたらどうだろう」

ファーはお父さんとお母さんの思い出の曲を思い出のレストランでお父さんに聞かせます。そして、お父さんとはゴーストのお母さんとダンスをします。涙!

お父さん「ファー、ありがとう。やっと思い出せたよ。」

娘が奏でる思い出の曲を聞いたお父さんは奇跡的に記憶を取り戻しました。

音楽は奇跡を起こすんですね。“Magic Moments”

 “New Year’s Wishes” 歌は人を幸福にさせる?会社一同となって吹奏楽部を作ります

バンドマンを目指していたが売れないため企業のファイナンス部門に入社してきた主人公。

夜な夜な残業をしていた主人公。どこからともなく音が。

部屋をのぞくと、そこには会社の人が集まってオーケストラの練習をしていました。

なぜか、「有名なバンドのボーカル」と勘違いされた主人公は、オーケストラの指揮を担当することに。

しかし、会社はオーケストラの練習をするために会社を使用することを拒否。

練習場所が無くなった一同ですが、ひそひそ隠れながら練習する日々です。

「本社のお偉いさんに頼もう。」

そう提案する主人公に賛同したオーケストラメンバーは、会長の前で素晴らしい演奏をします。

そして、「君たちの音楽には感動した。」

そうして会社には吹奏楽部が設立されました。  

劇中歌の紹介

1、『Song』 From エピソード1

2、『Still on my mind 』 From エピソード2

崩御された王様の曲です。

歌詞

I can’t get you off my mind,
However I try.
The flame kindled in my heart
Keeps burning high.
Though time has the power to quell,
It really cannot dispel
The magic touch of your hand,
So gentle in mine.
When night’s curtain starts to fall
And light fades away,
My thoughts fly back to that day,
You were so near.
This song will never, never end.
And time we cannot suspend.
You’ll be ever and ever,
Still on my mind.

3、『NewYearsWishes』 from エピソード3

Happy new year!


(Photo credit: IMDb)