ゲイ映画『Fair Haven』ネタバレ&内容 田舎に帰ってきた青年。神の力で自分を変えようとするも元カレに遭遇し・・・








映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

映画『Fair Haven』を鑑賞しました。

親の気持ちが漸く分かってきた。

簡単なあらすじ

田舎に帰ってきた青年。神の力で自分を変えようとするも元カレに遭遇し・・・

ネタバレ

主人公は都会ボストンから故郷の田舎町へ帰ってきました。

都会ボストンへ行っていた理由は『性癖を変える』ために、ボストンにキリスト教のセラピストの元へ治療を受けに行っていたのです。

 

迎えに来るお父さん。

お父さんは家族代々のリンゴ農園を経営しています。

 

家に到着すると主人公は少し怒っています。

 

主人公『どうして僕のお金を使ったんだよ。あれは僕の大学費用だろ。』

 

お父さん『ごめんよ、お前の治療費やお母さんの葬儀代で必要だったんだ。来年の収穫時にはお金が入るから、それまで待ってくれよ。』

 

お母さんも最近、亡くなっている事がわかります。

また、お父さんは家から近い大学に進むように勧めます。

 

お父さん『音楽専攻なら学費は出さない。農業専攻にしたほうが良い!』

 

主人公『だったら自分で稼ぐよ!』

 

お父さん『そんなの無理に決まっている。俺はお前を思って言っているのにどうして聞いてくれないんだ。』

 

お父さんは息子がリンゴ農園を継いでくれるだろうと思っています。

 

主人公『僕がこの農場を継いだらすぐに売る。』

 

お父さん『それはダメだ。この農場は家族そのものだ。分かっているのか。』

 

主人公は暫くの間、お父さんのリンゴ農園を手伝うことに。

主人公がリンゴを配送しに、あるお店へ行くと、そこには元カレ・チャーリーが。

お互いに驚きます。

 

チャーリー『いつ帰ってきたんだよ』

 

主人公『いや別に。お前に関係ないだろ。分かるだろ、状況は変わったんだ。俺たちは友達にさえもなれない!』

 

主人公はチャーリーに対し、冷たく接して帰っていきます。チャーリーは悲しそうです。

 

2回目に会った際に主人公は内なる気持ちが爆発し、思わず壁ドン、チャーリーを驚かせます。

 

家に帰る主人公は落ち着かない気持ちになり、教会へ行くことに。

 

そこで出会った女の子。

 

大学受験のアドバイスをもらうために女の子の家を訪れ、話す二人。

女の子は敬虔なクリスチャンで、結婚するまで処女を貫くと主張するような女の子。

 

女の子『もし良ければ今度デートしましょー、あなたが嫌じゃなければよ』

 

主人公『勿論だよ・・・・』

 

若干、嫌そうな主人公ですが、ストレートっぽい振る舞いをするためにデートを決意。

ボストンでの治療はうまく行かず、主人公がゲイであると思っていたお父さんも、デートの報告を聞いて大喜び。

 

デートへ向かう主人公。

良い感じの雰囲気。

 

女の子『チャーリーって知ってる?彼はゲイなのよ』

 

主人公『君はゲイの事はどう思う?』

 

女の子『それぞれ生きたいように生きるべきだと思うわ。』

 

車の中でキスをされる主人公ですが拒否反応が。

 

主人公『ごめん、そういう意味じゃなくて、、準備が必要なんだ。』

 

女の子はまさか主人公がゲイだとは思っていません。

 

主人公はいつものようにチャーリーのお店へリンゴを届けに行きます。

するとボコボコに顔が腫れたチャーリー。

 

主人公『どうしたんだよ、チャーリー』

 

チャーリー『別に何でもないよ。』

 

主人公『早く言えよ』

 

チャーリー『店から帰る途中で男のグループにボコボコにされたんだ』

 

チャーリーはおそらく、ゲイという理由で暴力を受けていました。

そんなチャーリーの安全を考えて、主人公はチャーリーの仕事終わりに迎えに来る事に。

 

主人公『お前の仕事が終わったら迎えに来るからな』

 

家に帰ると女の子がお父さんと話しています。

 

女の子『今日は家で夕食を食べて!あなたを家族に紹介したいの。』

 

主人公『うん(・・・・21時にチャーリーを迎えに行かないと行けないんだけれど)』

 

夕食中、

全く会話が弾まない主人公と女の子とその家族。

頭の中はチャーリーの事でいっぱい。

 

21時になり、飛び出すようにチャーリーを迎えに行く主人公。

 

チャーリー『この街から出ようとずっと考えているんだ。』

 

主人公『どうしてすぐに出ていかないんだい?』

 

チャーリー『君は一緒に来てくれないだろ』

 

チャーリーは今も主人公に想いを寄せています。

主人公は一人、部屋に隠していた過去のチャーリーとの写真を眺め、複雑な気持ちです。

 

翌日、

お父さん『この農場を750,000ドルで買いたいという人が現れたんだけど、断ったよ』

 

主人公『どうしてだよ!!??僕の大学費用も賄えるじゃないか。』

 

お父さん『この農場は家族代々続いているもの。この農場は家族そのものなんだ』

場面は代わり

主人公とチャーリーは美しい湖畔で二人きり。

 

チャーリー『この街にいても窮屈な思いをするだけだ。出ていこう』

 

二人はいい感じになりキス。

そのまま納屋で二人夜を明かします。

チャーリーにとってセラピーは全然効果がなく、自分を苦しめる要因にもなっているキリスト教にも興味を完全に失っている事が分かります。

 

翌朝、

女の子が納屋にやってきて、裸の男二人を発見。

怒って帰ってしまいます。

その様子を見ていたお父さん。

 

主人公『お父さん、ごめん。』

 

お父さん『死んだお母さんが悲しむよ』

 

家を出て行く主人公、そして考え込むお父さん。

 

その後、

チャーリーに会う主人公。

 

チャーリー『この街から一緒に出よう』

 

主人公『分かった』

 

家に帰り、

お父さんには内緒で荷物をまとめる主人公ですが、お父さんに止められます。

 

お父さん『少し話せないか。農場を売ったよ。もう引退する。それに大学ではお前のやりたい事をやってほしいからな。それにお母さんはお前を誇りに思うだろうよ』

 

主人公はお父さんに見送られ、チャーリーとボストンへ旅立って行きました。

終わり

感想

・親の理想を押し付けられる子供

・田舎特有の閉塞感

 

という痛いくらい共感できる物語。

主人公の家はリンゴ農園であることからも、聖書をもじった物語であることは確かです。

とても面白いなと思ったのは、従来のりんごではなく『オーガニックの新しいリンゴ』のブームが到来し、お父さんは新しい時代を受け入れ、リンゴ農園を辞める決断を下します。

これって、新しい価値観・多様性(ゲイ)=オーガニックのリンゴ、という素晴らしい比喩だった点です。

お父さんは代々守ってきた農園を『家族』だと主張して譲りませんでしたが、息子の性癖を認め、息子の夢を叶えるためにと農園を売り、旅立つ息子を見送ります。過去の家族の栄光や伝統も大事だけれど、愛する息子の人生が一番大事。

こういう親を持てたら子供は本当に幸せですよね。

 

自分も高校を卒業し、県外の大学へ進学する際に家族が見送りに来てくれました。

『これから一人暮らしが出来て最高』と心躍る自分に反して、お母さんは涙を流して見送ってくれたのを今でも忘れません。

自分はまだまだ親の年齢ではないけれど、ずっと一緒にいた息子が自分の元から旅立っていく複雑な気持ちは最近になってやっと分かるようになりました。

同時に、自分がゲイに生まれて悩んでいたけれど、自分だけではなくゲイの息子を持った親も同じように悩むのだと、分かるようにもなりました。

どこにでもいそうな家族の物語。それでも十分にドラマになるのだなと。

素晴らしい映画。