結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。読了後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
小説『君の名前で僕を呼んで(call me by your name)』を読了しました。
ゲイの恋愛小説です。
簡単なあらすじ
1988年のイタリアが舞台。18歳の青年と大学教授の父が過ごす家に、夏の数週間、アメリカから研究生の卵が来る風習が。そして18歳の主人公は、その研究生の24歳の青年に恋をする。
概要
2017年11月に映画が公開されるという情報を『オスカープラネット』様のサイトでゲット。
『オスカープラネット』様はかれこれ8年くらい『毎日』欠かさずチェックしており、わたしの映画の貴重な情報源であり、先生でもあります。ありがとうございます。一度、更新がストップしたときは泣いた。
主演がアーミー・ハマーということで、日本に一時帰国中にアマゾンで購入、そのまま寝ずに一気読みしてしまいました。イケメンパワー凄まじい。こういう変な集中力、どこかで活かしたい。
以前は、『ゲイ小説(主に官能系)』の英書にはまっていたことがあり、英語の読解力はエロ小説で培われたといってもよいくらい。
物語は凡庸な感じです。どこにでもあるようなもの。
恋に落ちて、悩んで、海に行って、テニスして、まぐわって、悩んで、時がたって、悩んで、まぐわって、まぐわって、、、、、若い!!
それでも、主人公君の心情は隅から隅まで痛いほど共感。
2人はバイセクシュアル。
バイセクシュアルという設定にすることで、肉体的にだけはなく、精神的に惹かれ合ったという感が出ていました。
読了後は、まるで夢の中にいるように、小説の世界にどっぷりと入り込んでしまいました。
未だにイタリアの風景が脳内で繰り広げられています(行ったことがないけれど)
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出演者(映画)
アーミー・ハマー(オリバー)
オリバーを演じる予定のアーミー・ハマー、、めっちゃかっこいい。”The HUNK”って感じ。こんな甘いマスクで、身長が196センチ。生きる芸術。生まれも育ちも坊ちゃんで、まさにラッキーボーイです。
↑3人とも2018年の賞レースを騒がしそうです。
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簡単なネタバレ
舞台は1988年、美しい海沿いのイタリア。
イタリアの家に住むエリオ。エリオの父は大学教授で、夏になるとアメリカから研究員の卵を呼んで、6週間の間、助手として少しの雑務と引き換えに、ただで住まわせ研究のお手伝いをするというサポートを行っている。
この期間はエリオは憂鬱。
というのも、ゲストが来るときは、今は亡きおじいちゃんの部屋で過ごす必要があるから。
エリオはその大学教授の父の影響を受けてか、かなりのインテリな17歳。テレビのゴシップを観るよりも詩や小説を読んでは感銘を受けたり、引用をするようなマセマセな少年。
そんな毎年のゲストの中でも、エリオはいつも『さようなら』を”Later”と表現するオリバーのことを思い出す。
オリバーはゲストとしてアメリカからやってきた研究者の卵。
セクシーで知的なオリバーに、エリオは次第に気になっていきます。
オリバーも超インテリジェンスな青年で、家族や周囲とすぐに打ち解けます。
そんなオリバーを連れて、エリオはイタリアの美しい街を案内してあげたりします。
オリバーに興味を抱いていくエリオ。
窓から、セクシーな水着を着ているオリバーを見つめては、物思いにふけるエリオ。
ある晩、エリオはオリバーの部屋へ侵入。こっそりと彼の下着で一人で、、、します。
その後、エリオはオリバーへの好意を認め、ついに夜を共に(軽めの)。
それからは二人の間には気まずい距離感が出来てしまいます。
同時に、
エリオは彼女ができます。それでもオリバーが気になるエリオ。
ある晩、エリオは手紙を書きます。
『無視しないで何か反応してくれよ。僕の心が張り裂けそうだよ』
その晩、手紙の返事が無いエリオは耐えきれなくなりオリバーの部屋へ。
そして二人は結ばれます。
しかし、エリオはオリバーと関係を持ってしまったことに罪悪感を感じます。
ある時、
エリオは彼女との事後、
オリバーを想いながら一人、、、
そこへオリバーが。
そこでベッド。(3回も!!若い!!!)
そんな濃い6週間もあっという間、オリバーはアメリカへ帰国することに。
その前にイタリア旅行をしたいということで、エリオもお供することに。
そこで、オリバーの知り合いやらとの知的な会話の数々。
旅行から帰宅したエリオ。
お父さんに旅の事を尋ねられます。
そして
父ちゃん『オリバーとの友情、いやそれ以上のこと。僕たち親は素晴らしいことだと思うよ。』
(父ちゃん理解力ある!)
15年後、
エリオはオリバーを訪ねます。
オリバーは大学教授として活躍し、妻も子供もいます。
しばらく連絡を取り合っていなかった二人。
しかし、オリバーはエリオのことをずっと追いかけていました。
部屋の装飾品も、エリオとの思い出のものがたくさん。
2人は未だに惹かれ合っていることが分かります。
オリバー『この世には二つのパラレルワールドがある。一つは今のような現実的な人生。もう一つは理想の人生、でも何らかの理由で叶えられない人生。』
それからまた時が経ち、20年後、
オリバーは昔に訪れたイタリアのエリオの家に行きます。
再び再会を果たした二人。
ねえオリバー、僕の顔を見つめて、最初に一緒に過ごした夜のように、こう言ってくれよ。
『call me by your name』
終
↑映画はどんなに美しいものになるのでしょうか。
感想
よくありがちなスウィートな恋愛小説です。
悪者ビッチもいなければ、性格のねじ曲がったお父さんやお母さんも出てきません。
というかお父さん、めっちゃ理解者!やさしい!!!!
こんなスウィートな恋愛がしたい!
そう思わせる要素がたっぷりと詰まったラヴ・ストーリー。
『果物の桃の間に、息子を入れて一人。。。。そして発射。その使用済み(?)の桃を好きな人に食べられる。勿論、色々な汁付きで。』(表現力の乏しさはお許しを)
そんな衝撃なひと時も美しい
『自分はゲイなのか、それとも、、、彼女もいるけど、オリバーが好き。』
そんな自分のセクシュアリティに葛藤を抱く主人公
たった6週間の夏休みの出来事。それでも人生に影響を及ぼすほどのことが起きてしまった。
使い古されたけれど、色褪せることの無いストーリー。
美しければなんでも許されるのでありましょう。
ちょっとありえないんじゃないかな、と思うシチュエーションですが世界のどこかでは、こんなにスウィートな恋愛をしている人がいるのでしょう。
ところで、
『夏』というのは、なぜ不思議な力があるのでしょうか。
素敵な『夏』を超えて大人になる。
美しい『夏』の恋は大人への通過儀礼。
わたしも『夏』の恋の思い出がいくつかあり、記憶が美化されたのか、とても素晴らしい記憶として心の片隅の宝箱にしまってあります。
海、ビーチ、太陽、夕焼け、ビール、裸、、、
そんなありきたりなシチュエーションもスウィートなのは変わらず。
素敵な夏を過ごしたい
(Photo credit: IMDb)
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