映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
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リメンバー・ミー♪人は死んでも生きている。本当に死ぬ、というのは誰からも忘れられたとき。
簡単なあらすじ
音楽を禁止されて育った少年が、死者の世界へ行き家族の歴史を探る。
概要
世界のピクサーアニメーションスタジオより19作目の最新作『Coco』
あっと驚く物語と愛くるしいキャラクターで世界中の人々の心を掴む映画を量産。
素晴らしい映画がありすぎてNo1を選べない。
舞台はメキシコ。
死者の日(Día de Muertos)という、日本で言うお盆の日。
その日にはご先祖様がやってきては家族と過ごすという素敵な日。
先祖の一人が音楽を理由に家族を捨てて以来、小さい頃から音楽を禁止された少年が、死者の国へと行ってしまう。
今回もテーマがぎっしりと詰まっていました。
出演者
主人公ミゲール
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音楽が禁止された家庭で育つも、伝説のミュージシャン、エルネスト・デ・ラ・クルスに憧れがあり、隠れてギターの練習をする日々。
エルネスト・デ・ラ・クルス
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ヘクター(声:ガエル・ガルシア・ベルナル)
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死者の世界で出会った男ガイコツ。ある事を条件に主人公ミゲルに手助けをする。実は・・・
ひいひいお婆ちゃん(イメルダ)
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主人公のひいひいお婆ちゃん。ミゲールの家庭が音楽禁止なのも、ひいひいお婆ちゃんの旦那(ひいひいお爺ちゃん)が、音楽の夢を追うために家族を捨てたため、音楽とひいひいお爺ちゃんを憎み、その思いは後世の子孫にも引き継がれている。
ネタバレ
舞台はメキシコ。
主人公ミゲールが彼の家族を紹介してくれます。
『僕のひいひいお婆ちゃんは才能あるミュージシャン(ひいひいお爺ちゃん)と結婚した。そして、娘ココ(Coco)が生まれたんだけれど、ひいひいお爺ちゃんはミュージシャンになる夢を叶えるために家族を捨ててどこかへ行ってしまったんだ。ひいひいお婆ちゃん女手一つで家族を育てるために靴屋さんを始めたんだ。そしてそれ以来、僕の家では音楽が禁止されている。そして皆、ひいひいお爺ちゃんを恨んでいるんだ。』
ミゲールは父・母、お婆ちゃん、ひいお婆ちゃん(Coco)、おじさん、おばさん等と一緒に暮らす少年であり、実家の靴屋としてお手伝いする日々。
先祖を大切にしており、先祖代々の写真を大切に飾っています。
しかし、家族を捨てたひいひいお爺ちゃんの写真の顔の部分は破られていて、どんな顔か分かりません。
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そんなミゲールは音楽が大好き。将来の夢はミュージシャンになること。
今は亡きスーパースター、エルネスト・デ・ラ・クルスに夢中で、彼のテレビ映像や音楽を真似をしては、こっそりとギターを弾くような日々。特に彼のヒット曲『リメンバー・ミー』が大好きで完コピできるほど。
ミゲールの自製のギターもエルネスト・デ・ラ・クルスが使っていたギターと同じデザイン。
ちなみにエルネスト・デ・ラ・クルスは演奏中に頭上の大きな鐘に潰されて死んでしまったのですが、今でも伝説のミュージシャンとして人々に愛されています。
しかし、そんなミゲールの音楽愛とは反対に、音楽禁止の家系のため、家族に見つかるとこっ酷く怒られます。
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ミゲールは死者の日に行われる音楽コンペに応募し、そこで活躍することで自分の音楽の才能を披露し、家族に音楽を許してもらおうと考えます。
そんな時、家族が大切に飾っているご先祖様の写真を誤って落としてしまうミゲール。
割れた額から写真を手にとるミゲール。それは家族を捨てたひいひいお爺ちゃん(顔は破られていて分からない)と、ひいひいお婆ちゃん(イメルダ)の写真ですが、その写真をよく見ると、ギターが。
そして、そのギターは憧れのアイドル、エルネスト・デ・ラ・クルスのギターでした。
ミゲール『もしかして、大スター、エルネスト・デ・ラ・クルスが僕のひいひいお爺ちゃん!!??』
嬉しい家系の事実を知り大喜び。
ミゲール『僕はエルネスト・デ・ラ・クルスの子孫なんだ!!!!』
そう家族に説明するも、逆ギレ。
激怒したお婆ちゃんは、ミゲールのギターをメッタメタに壊してしまいます。
怒りと悲しみで涙を流すミゲールは走ってどこかへ行ってしまいます。
ミゲール『僕はもう家族じゃない!こんな家、もう嫌だ!』
ミゲールは音楽コンペに参加願いを出すも、ギターが無いので出演を断られます。
途方に暮れるミゲールですが、大スター、エルネスト・デ・ラ・クルス(ひいひいお爺ちゃん)の墓地に彼のギターが飾られている事を思い出します。
ミゲールは墓地に不法に入り、エルネスト・デ・ラ・クルスのギターを手に取ります。
『ジャジャーン♪』
すると、ミゲールは不思議な光に包まれます。
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『中で侵入者がギターを弾いているぞ!』
外から聞こえる声に焦るミゲールは、外に逃げ出すも誰も自分の存在に気づかず、透明人間になったように、ぶつかっても通り抜けていくます。
不思議に思うミゲールですが、周囲を見渡すとガイコツがそこら中にいます。
『うわーーーー』
よく見ると、ガイコツに見覚えがある。
ご先祖様でした。
ご先祖様は死者の日に、『死者の世界』から『この世』の家族に会いにやってきているのです。
死者が、『この世』に来るためには、この世の誰かが写真を飾っていなければいけません。
そして、顔が忘れられると、死者の世界からも消えてしまいます。
ミゲールの家族は大切に先祖の写真を飾っているので、ご先祖様は毎年、死者の日にこの世にやってこれるのです。
ガイコツのご先祖様に連れられ、死者の世界へ行くミゲール。
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死者の世界へ到着するミゲールですが、ひいひいお婆ちゃんは何故だか今年は『生の世界』へ行けない事件が発生している事が分かります。というのも、この世に写真が飾られていないため。
ミゲール『ごめん、ひいひいお婆ちゃん、僕が写真を割っちゃって、その写真、今、自分が持っているんだ。』
イメルダ(ひいひいお婆ちゃん)『なんだってええ!!すぐに『この世』に戻って、わたしの写真を戻してきて!音楽はもちろん禁止だと伝えなさい。』
ミゲールはあの世と『死者の世界』を行き来する方法がわかり、この世のエルネスト・デ・ラ・クルスの墓へ戻るも、再びすぐに戻ってきます。
ミゲール『僕のひいひいお爺ちゃん(エルネスト・デ・ラ・クルス)を探したいんだ!』
ひいひいお爺ちゃんを恨んでいるガイコツのご先祖様は大反対ですが、ミゲールは走り去っていきます。
『日が昇るまでに帰らないと、あなたも死者の一人になってしまうよ。』
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追いかけてくるガイコツのご先祖様。
ミゲールはヘクターという男を発見します。
ヘクター『君のひいひいお爺ちゃん(エルネスト・デ・ラ・クルス)を探すのを手伝ってあげる。代わりに、この世へ行って僕の写真を家族に渡してほしい。そうでないと、死者の日にこの世に行けないんだ。』
ヘクターのこの世の家族は、ヘクターの写真を飾っていないので死者の日に、この世へ行けない状態。
二人は協力することに。
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ひいひいお爺ちゃん(エルネスト・デ・ラ・クルス)は死者の世界でも大スター。
ヘクター『音楽コンペの勝者にはエルネスト・デ・ラ・クルスと会える権利が貰える。それに出場するべきだよ。』
ミゲールはギターを手に入れ、音楽コンペに出場。
ミゲール『”リメンバー・ミー”を歌いたい』
ヘクター『それはありきたりすぎて良くない。』
他の曲を歌うミゲールですが、観客は大熱狂。
しかし、家族に見つかり逃げるミゲール。
イメルダ(ひいひいお婆ちゃん)『本当は、、、、音楽が好きなの・・・・夫(ひいひいお婆ちゃん)が歌う歌が大好きだったの。。。。でも駄目よ!!』
ミゲールは、エルネスト・デ・ラ・クルスのコンサート会場へ行きます。
ミゲール『僕は先祖だよ。ひいひいお婆ちゃんと同じように音楽が好きなんだ。どうして家族を捨てたの?』
ひいひいお爺ちゃん(エルネスト・デ・ラ・クルス)『夢を追いたかったんだ。』
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二人が絆を深めたところで、ヘクターがやってきます。
ヘクター『やっと会えたな、エルネスト・デ・ラ・クルス!!』
二人は以前、ミュージシャンとして二人で活動していました。
ヘクター『お前は俺の曲”リメンバー・ミー”や他のアイデアを盗作した。』
偶然、テレビで放送されているエルネスト・デ・ラ・クルスのドラマ。
それは名声を得るために友人に毒を盛るというもの。
ヘクター『まさか、まさか、、、毒を持って俺を殺したのか・・・』
エルネスト・デ・ラ・クルスは『名声を独り占めするため』、そして『音楽を辞めて大切な家族の元へ戻る』というヘクターを止めるために、ヘクターに毒を盛って殺していたのです。
エルネスト・デ・ラ・クルスはミゲールが所持していたヘクターの写真を奪い、警備員を呼んで、二人を閉じ込めます。
途方に暮れる二人。
ミゲール『殺人鬼に憧れていたなんてショックだよ・・ところで、どうして写真を届けたいんだい?』
ヘクター『娘に会いたいんだ。娘の名前はCoco。Cocoが小さい頃に僕が使った曲”リメンバー・ミー”という曲を聞かせていたんだ。』
ミゲール『Coco????それった僕のひい婆ちゃんだよ。ということは、あなたは僕のひいひいお爺ちゃん??』
殺人鬼かつ大スターのエルネスト・デ・ラ・クルスではなく、本当のひいひいお爺ちゃんはヘクターである事がわかり大喜び。
その後、二人は脱出。
そしてヘクター(ひいひいお爺ちゃん)と妻イメルダ(ひいひいお婆ちゃん)は再会。
ガイコツの先祖達と一緒に、嘘つき殺人鬼エルネスト・デ・ラ・クルスのコンサートへ向かいます。
みんなで協力して、エルネスト・デ・ラ・クルスを倒し、ヘクターの写真を手に入れます。
そして音楽の素晴らしさを再確認したヘクターの妻イメルダ(ひいひいお婆ちゃん)。
夜明けが近づき、ミゲールの身体がガイコツのように。
イメルダ(ひいひいお婆ちゃん)『ミゲール、ヘクターの写真をこの世へ届けて、頼んだわよ。そして家族の皆に音楽の素晴らしさを伝えて。』
この世に戻ってきたミゲール。
すぐにひいお婆ちゃん(Coco)の元へ。
ミゲール『Cocoのお父さんに会ってきたよ!僕の歌を聞いて。』
”リメンバー・ミー”を歌い出すミゲール。そして、全く動かなかったひいお婆ちゃん(Coco)が一緒に歌いだします。
ひいお婆ちゃん(Coco)『この曲はわたしのお父さんがよく聴かせてくれた大切な曲。』
ミゲールの家族も涙を流して聞いています。
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1年後、
死者の日がやってきました。
ミゲールは新しく産まれた妹に先祖の写真を見せては紹介しています。
そして、新しく飾られる、ひいお婆ちゃんCoco写真。
ミゲールはギター片手に歌を歌っています。
家族も、そして死者の国から訪れていた先祖も一緒に楽しんでいます。
そこには死者の国からやってきたひいお婆ちゃん(Coco)とヘクターの姿。
終
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感想
・憧れていた人が実はゲス。
ずっと憧れているようなアイドルや目標にしている有名人って何人かいたもので『彼らのようになりたい』という思いで努力してきた事って多々あるもの。
しかし、憧れていた人が実は悪人だった、なんてときのショックといったら。
芸能人もそう。テレビの前ではキラキラと美しいけれど、ネットが普及した世の中、ゲス行為であったり、化粧マジックであったり、実は一般人と大差無かったりと、ショックを覚える事も。
憧れの人は憧れのままであった方が良い、という教訓は大切だと思いました。
『すべては無理でも、この人のこの部分は憧れる。』
本作では、憧れていたミュージシャンが実は自分のひいひいお爺ちゃんを毒殺&歌を横取りした、というゲス野郎。
ずっと憧れていたミュージシャンが実はゲスだと知ったときの主人公の衝撃は計り知れないものがあるかと思うのですが、
その曲は実はお父さんが作っていたという奇跡のような救いのある設定に安心しました:)
・リメンバー・ミー
劇中の主題歌『リメンバー・ミー』
人は死んでも生きている。本当に死ぬ、というのは誰からも忘れられたとき。
本作のメインのテーマの一つだと思います。
自分の家にも飾ってある先祖の写真。話した事は無いけれど、家族から伝聞で聞いて『こんな人なのかな』という想像はするも、
お会いした事はないので実際は殆ど知らない。
それでも、もしかしたらお盆の時期に死者の国からやってきては、この世の子孫を見に来ているのではないかと、不思議な気持ちに。
来年のお盆は絶対に先祖の墓参りに。
人は忘れる生き物。それでも写真があれば忘れないでいられる。
これからは写真をもっと大切にしていきたいなと思いました。
とっても素敵な映画!
トリビア
・原題は”Coco”ですが、ブラジルでは”Viva”に変更したそう。というのもブラジルの言葉(ポルトガル語)で”Coco”は発音によっては『うんち』という言葉に間違われてしまうため。
・劇中の街のデザインはメキシコの都市グアナフアトを参考にしているそう。
・本作の企画は2011年頃からスタートし2017年に公開。これはピクサー映画といては最長の製作期間。
・本作の主人公ミゲールはピクサー映画において初の非白人主人公。
・劇中でのオレンジ色の花はセンジュギクと呼ばれ、メキシコでの死者の日に死者へ贈る伝統的なお花
参考:IMDB