【ネタバレ&内容&解説】ホラー映画『アス(原題:Us, 2019)』幸せな4人家族の前に現れた、全く同じ姿の邪悪な4人家族。








ホラー映画『アス(原題:Us)』を鑑賞。

これぞハリウッド映画の最高レベル!

簡単なあらすじ

幸せな4人家族の前に現れた、自分たちに瓜二つの4人家族。4人家族は大きなハサミを持って襲ってくる・・・

映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

概要

・原題:Us
・製作国:アメリカ
・製作年:2019年
・日本公開日: 2019年9月6日
・監督:ジョーダン・ピール(映画『ゲットアウト』)
・主演:ルピタ・ニョンゴ

映画『ゲットアウト』にて満塁ホームランをかっ飛ばしたジョーダンピール監督(&製作&脚本)の待望の2作目。

前作『ゲットアウト』に続き、批評家からは絶賛。

二転三転する物語ですが、様々な箇所にヒントが散りばめられ少しずつ繋がっていく快感。

ずっしりと深いテーマが込められた本作は間違いなくマスターピースの一つ。

↑『ゲットアウト』も超面白い!黒人と人種差別とホラーがマッチした斬新な脚本。(尚、アジア人は不在の模様)

出演者

ルピタ・ニョンゴ(アデレード/レッド)

映画『それでも夜は明ける』にてアカデミー賞助演女優賞を受賞。

その後は大作からインディ映画まで幅広く出演する演技派。

本作でも、逞しい母親&狂った侵入者の二役を見事に演じており、賞レースでも注目されること間違いなしです!

ネタバレ

少女アデレードは両親と共に遊園地が併設してあるビーチへ遊びに行きます。

アーケードゲームでマイケル・ジャクソンのTシャツをゲットした父は、少女アデレードにプレゼント。

マイケル・ジャクソンのTシャツを着たまま、アデレードは一人、ビーチを散策します。

そこには『11:11』と書いてある看板を持つ男。

 

アデレードはとあるアトラクション(ミラーハウス)に迷い込みます。

突然停電。

恐怖を紛らわそうと口笛を吹くアデレード。

ふと鏡に映る自分。

しかし、目の前には全く同じ顔形の自分が立っています。

 

その後、アデレードはその事件のストレスで失語症になり、事件の事を話したがらなくなります。

 

『失語症になったアデレードがトラウマを乗り越えるには、話したり、書いたり、ダンスをしたりするのが良いと思います』

 

心理学者のアドバイスで少女アデレードはクラシックバレーを始めます。

数十年後

大人になったアデレードは、旦那と愛する息子、娘に囲まれ幸せに生活しています。

 

旦那『気晴らしにビーチにでも行こうよ』

 

アデレードは少女時代の事件のトラウマからビーチへ遊びに行くのを拒否。

しかし、息子と娘のあばあちゃんが亡くなったショックを癒せるかもしれない、という理由から渋々ゴーサインを出します。

 

ビーチに向かう途中

アデレードが少女時代に見覚えのある『11:11』のプラカードを持った男が血だらけで救急車で運ばれていました。

 

ビーチでは、友人家族と合流。

大はしゃぎする息子を気にかけるアデレード。

 

息子は一人トイレに行く途中、血だらけの男がポツンと立っているのを発見。

一方、息子が行方不明になったとパニクるアデレードですが、息子はすぐに戻ってきます。

ビーチハウスに到着する一行。

アデレードは息子が書いた絵を発見。

 

アデレード『この絵は何?』

 

絵には、ビーチで見た、血だらけの男が描かれていました。

 

深夜

アデレードは過去のトラウマを旦那に告白します。

アデレード『わたしが小さい頃、ビーチのとあるアトラクションに迷い込んだの。そこには全く顔形が同じの自分が立っていたの。わたしは必死で逃げた。でも、あの顔形が同じ自分が、いつか自分のところに再び現れるんでないかと心配でならないの』

 

旦那はあまり信じていません。

すると突然停電。

 

息子『外に誰か立っているよ』

 

確認すると、赤い作業服を着た4人組が不気味に立っています。

旦那『おい、警察を呼ぶぞ。』

 

警告する旦那を無視し、不気味な4人組が突如襲ってきます。

扉や窓をたたき破り家に侵入してくる四人組。

アデレード家族は居間に追いやられます。

不気味なのは4人組の顔形がアデレード家族と全く同じ(ドッペルゲンガー)である事。

緊張が走る一同。

アデレードは手錠を掛けられます。

レッド(ドッペルゲンガーのアデレード)は不気味に話し始めます。

 

レッド(ドッペルゲンガーのアデレード)『昔々、とても幸せに暮らしていたプリンセスがいました。しかし影によって全て奪われた。』

ドッペルゲンガーの4人組はレッド(ドッペルゲンガーのアデレード)以外、話す事が出来ません。

すると、レッド(ドッペルゲンガーのアデレード)はポケットから大きなハサミを取り出します。

 

アデレード『やめて!子どもたちだけは危害を加えないで!』

レッド(ドッペルゲンガーのアデレード)はドッペルゲンガーの父、娘、息子に指示を出し、それぞれ父、娘、息子を襲わせます。

父、娘、息子はそれぞれ、自身のドッペルゲンガーと闘います。

 

父は大怪我を負いながらも、大きなハサミを片手に襲ってくるドッペルゲンガーの父を見事仕留める事に成功。

ドッペルゲンガーの娘は森深く走って追いかけてくるも、娘は逃げきります。その途中、ドッペルゲンガーの娘は大きなハサミで市民を殺害します。

息子は、自身のドッペルゲンガーと押入れでの中で過ごすも、ドッペルゲンガーを押入れにうまく閉じ込める事に成功。

息子のドッペルゲンガーは顔の下半分に大火傷を負っており、グーグー唸るだけで、動きも犬のようです。

一方、拘束されたアデレードはレッド(ドッペルゲンガーのアデレード)によって拷問を受けています。

しかし、隙を狙って脱出。

アデレードは息子、娘、旦那と合流し、ボートで友人宅まで逃げます。

そして逃げるアデレードを見つめるレッド(ドッペルゲンガーのアデレード)。


↑レッド(ドッペルゲンガーのアデレード)


↑本物のアデレード

友人宅に到着するアデレード家族。

しかし、友人は同じく、友人のドッペルゲンガーに殺害されていました。

アデレード家族は、友人のドッペルゲンガーを始末。

ニュースを見ると、全米中で、同じように赤い作業服を着たドッペルゲンガーが現れて、大きなハサミを使って残虐行為を繰り返しているとのこと。

 

アデレード『ここから逃げましょう!』

 

アデレード家族は車で逃げる途中、ドッペルゲンガーの娘を始末します。

翌朝、

ドッペルゲンガーの息子が現れ、アデレードは一人近づいていきます。

アデレードの息子の知恵で、ドッペルゲンガーの息子を始末。

しかし、レッド(アデレードのドッペルゲンガー)によって息子は誘拐されます。

ビーチには大量の赤い作業服を着たドッペルゲンガーが手を繋いでいます。

アデレードは息子を救出すべくレッドを追いかけます。

そこはかつてアデレードが少女時代にドッペルゲンガーに出会ったアトラクション(ミラーハウス)。

 

アデレードは隠し扉の先を進みます。

そこはたくさんの部屋があり、多くのうさぎが生息しています。

 

レッド『この地下の実験室(全米の人口を収容出来る程巨大なモノ)はかつて政府によって作られた。ドッペルゲンガーを作る実験を行っていた。でも、計画は頓挫し、ドッペルゲンガー達はここに閉じ込められた。』

 

ドッペルゲンガー達は地上の人間たちの動きを模倣し、地上の人間のようになるよう訓練されていましたが、言葉等は訓練されていません。

 

アデレード『息子はどこ!』

 

レッドは無視し話し続けます。

 

レッド『わたしはとても上手にダンスが出来た。そんな私をドッペルゲンガー達は崇め始めた。そして、こうしてずっと閉じ込められていた地下から、地上に出る計画をずっと立てていた。』

 

レッドはアデレードへの恨みを告白します。

アデレードはレッドと闘い、見事始末。

アデレードはまるで獣のような雄叫びをあげ、レッドを始末した事を喜びます。

息子も生きていました。

アデレード家族は再会。

 

アデレードは回想します。

少女時代、迷い込んできたアデレードを気絶させ、地下に手錠をかけ閉じ込め、その後、地上の世界でアデレードとして生きてきたことを。

レッドは実は本当のアデレードで、偽のアデレードに復讐するために計画を立てていた事を。

 

最後、ホッとする家族。アデレード(真のレッド)はニッコリと微笑みます。


↑レッド(ドッペルゲンガーのアデレード)→本物のアデレード


↑本物のアデレード→レッド(ドッペルゲンガーのアデレード)

解説

1,アデレードとレッド

アデレードは実はレッドで、レッドはアデレードである事が明かされます。

本作でもそれを示唆するシーンがたくさんありました。

①アデレード(実はレッド)

1)事件を機に突然、口数が少なくなる

理由→地下で入れ替わったレッドは言葉を知らなかった

2)ビーチに行くのを嫌がる

理由→自分が育った地下(アトラクション)がある事を知っていたから

3)なぜ、地下世界(アトラクション)を発見できたのか。

理由→元々、そこで育っていたので、アトラクションの構造を完全に理解していた。

4)Tシャツが少しずつ赤く染まっていく。

最初は白かったTシャツが血や汚れで段々と赤く染まっていきます。

これはアデレードが実はレッドである事を示唆しているようです。

②レッド(実はアデレード)

1)ドッペルゲンガーの中で言葉を話せるのはレッドだけ

理由→元々、地上で育ったため。しかし、少女時代に入れ替わり、地下で生活したため、語彙が以上に少ない。また、奇妙な話し方なのは、地下では話す機会が殆どなかったから。(もしくは幼少期にレッドによって首を締められた時の後遺症かも)

2,実は息子もかつて入れ替わっていた。

・劇中、息子は『奇妙』と形容されたり、アデレード(実はドッペルゲンガーのレッド)と同じく食べ方に妙な癖がありました。

・ビーチで遊んでいる時は『トンネルを掘った(地下世界の別名)』と形容していた。

・ドッペルゲンガーの息子だけは、ドッペルゲンガー愛用のハサミを持っていなかった。

・ドッペルゲンガーの息子は大火傷して話す事が出来なかったが、唸ったりと声を発しようとしていた気配はあった。

以上から、息子もアデレードと同じく地下世界の住民だったのではないかと推測できます。

3,うさぎ

本作の冒頭はゲージの中で飼育された大量のウサギのシーン(白うさぎ:黒うさぎ=9:1くらい)。その後もウサギはたくさん出てきます。

ウサギは動物実験で利用される筆頭の生き物。

ドッペルゲンガー達はウサギの繁殖力の高さを活かして、生でウサギを食す事で生き延びていました。

そんなウサギが意味するのは『再生』。

最期のシーンではウサギ達がゲージから出て、自由に駆け回っています。これは地下に閉じ込められていたドッペルゲンガー達を意味していたのでしょう。


→ウサギの耳はドッペルゲンガー愛用のハサミにも似てますね

 

4,タイトル『Us』

『Us』はアメリカの略称(US)とも読めます。

地下世界に生きた人々は、存在はしているけれど、人種や教育、家庭環境等を理由に世間では表に出てこない(出てこられない)人々を表したのではないかと。

忘れられた人々も『Us(わたしたち)』であり『US(アメリカ国民)』に含まれるんだ、という事を。

本作の登場人物は何らかの被害者であり、敵は誰一人として出てきません。

たくさんのドッペルゲンガー達は手を繋いだシーンで映画が終わりますが、これは主人公アデレードが入れ替わった時に観ていたテレビで放送されていた、1986年のチャリティーイベント” Hands Across America”を目指したモノ。

ドッペルゲンガー達(日陰に住む人々)の存在を認知してほしい、とのメッセージも込められていたのかもしれません。

 

『環境が違えば自分も違う人生を味わえた。』

そんなドッペルゲンガー達の悲痛な叫びが聞こえてくる。

 

次ページで詳しい説明をしています。

解説2