映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

LGBT映画『マリオ(Mario, 2018 )』を鑑賞。
夢を叶えるためには犠牲が必要なのか・・・
簡単なあらすじ
概要
オーストリアより素敵なLGBT映画。
プロスポーツ選手になる夢を叶えるべく切磋琢磨する二人の若者。夢に近づけば近づくほど自分のセクシュアリティがネックになっていく。愛を選ぶか周りの期待を選ぶか。
本作の大きなポイントは『プロスポーツ選手としてのセクシュアリティ』。
未だかつて量産されてきた『自身のセクシュアリティに悩む若者』映画とは一味違った葛藤が描かれていました。
ネタバレ
舞台はオーストリア。
マリオは前途有望なサッカープレイヤー。
チームの中で最もプロ選手になる希望があり、マリオは既にエージェントと共に活動し、1部リーグでの契約の機会を伺っています。
ある時、
チームに新しくレオンが入団。
レオンはドイツからやって来た美しい青年。常に物静かで来たばかりのチームには馴染んでいません。
マリオは田舎から何時間もかけて練習に通っていたのもあり、新しいチームメイトのレオンと同居するという条件で街へ引っ越す事に。
二人は少しずつ打ち解け、一緒に練習に参加したり、友人を紹介したりと親密になっていきます。

ある晩
二人は身体の関係に。
↑突発的で奇妙な挿入シーンがなくてよかった。
チームのキャンプ合宿。
マリオはチームメイトにレオンとの関係を知られないように取り計らうも、キスしているところを目撃されます。
その後は、ゲイである事を冷やかされるなど、チーム内での雰囲気も変化。
マリオとレオンは監督やチームの偉い人に呼び出され、関係を問いただされます。
マリオ『僕はレオンと何の関係もない。』
きっぱりと拒絶するマリオに対して不信感を抱くレオン。
レオン『本当の事をなぜ言わないんだ。』
マリオは自身のエージェントには本当の事を打ち明けます。
エージェント『君のセクシュアリティはどうでも良い。でも、プロスポーツ選手にゲイは未だ受け入れられていない。スポンサーも契約してくれないかもしれない』
ずっと応援してきたマリオの父もレオンとの交際に猛反対します。
広まる噂を一蹴すべく、マリオとレオンは強制的に公の場で女性とデートさせられます。
マリオは親友ジェニーに偽造彼女になってもらう様お願い。
レオンは全くやる気が無く自分のセクシュアリティを否定してまでサッカーをしようとは考えていないよう。

そんな努力が功を制したのか、マリオは一部リーグからのオファーが。
一方、チームのロッカールームで、セクシュアリティを笑われるレオン。
レオン『マリオ、本当の事言おうぜ』
マリオ『俺はお前と違ってホモじゃない!』
マリオは自分の保身のために嘘をつき、レオンはそのままチームを去っていきます。

マリオは多くのオファーを受け、レオンが近くに住むドイツのチームへ移籍することに。
親友ジェニーも偽造彼女としてマリオを補佐すべく一緒にドイツへ。
マリオはチームで大活躍しますが、プロスポーツ選手の偽妻として生きるのに疲れたジェニーはマリオの元を去っていきます。
↑偽造彼氏・彼女って疲れると思う。
マリオはレオンを訪ねます。
レオンはサッカー選手としての夢を諦め、新しく学校へ通っています。
そして素敵な恋人も。
レオン『僕はサッカーよりも愛を選んだ。君はサッカーを選んだだけ』
傷心したマリオですが、引き続きプロスポーツ選手として活躍を続けます。
↑オーストリアの美しい風景と美男子という最強コンボ。
若い時は自分のセクシュアリティに振り回されて色々と我慢してきたばかりの人生。
でも、経験を重ねて歳を取るにつれて自分のセクシュアリティをうまく利用して人生を楽しむ術を身に着けていると感じます。
『プロスポーツ選手だからタブー』
それぞれの世界にはそれぞれのルールがあるのは当然。
自分のやりたい夢を叶えるために、自分のルールを否定して違う世界のルールに従おうとするマリオ。
自分のルールを肯定してくれる世界を求めて生きる事を決断したレオン。
どちらも間違っていないけれど、一度きりの人生。レオンのように自分の理想の世界を構築していきたいと強く思った。