映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

『The Perfection, 2019/パーフェクション』を鑑賞。
【評価】
星 6/10 ★★★★★★
簡単なあらすじ
チェロ奏者として活躍するリジーの前に現れた、かつて将来を渇望されるも夢を諦めたシャーロットの登場するが・・・
概要
・原題:The Perfection
・製作国:アメリカ
・製作年:2019
・日本公開日:ネットフリックスより公開
・監督:Richard Shepard
・主演:アリソン・ウィリアムズ
『予測不可能』を謳い文句にネットフリックスより公開された本作。物語はとんでもない展開から始まり、とんでもない展開で終わるという、確かにびっくり仰天の展開。何かあるな、とは思わせるようなセリフや表情にドキドキしっぱなし。
評価は賛否両論。
過激でショッキングな描写が連発しているので何となく凄い映画に思えるけれど、展開は非現実的で少し強引。とてもおもしろいけど!!
チェロ奏者としてスパルタ教育で育てられた女性、そしてチェロ奏者の夢を諦めざるを得なかった女性の2人の交流は、2人に共通する心の深い部分をさらけ出していく。
天才に育てるにはある程度の洗脳が必要なのか、そんなことは無いと思うけれど、「夢を叶える」という餌を目の前にぶらさげられた少年少女たちは大人の言いなりになるしかないのかなと。
出演者
アリソン・ウィリアムズ

『ゲットアウト』にて主人公の恋人を演じた新鋭女優。
本作でも何か裏を隠しているんではないか、と思わせるような表情で映画の雰囲気を不気味なモノにしていました。
ネタバレ
シャーロットは才能豊かなチェロ奏者でしたが、母親の看病を理由に、英才教育で有名なプライベートスクールを辞め、夢を諦めた過去を持つ女性。

そんなシャーロットですが、かつてのプライベートスクールがある上海へ足を運び、パーティーへ出席。
かつての先生達に挨拶を済ませ、シャーロットが退学した後に、スター奏者として育てられたリジーへも挨拶をします。
シャーロット『あなたの演奏、本当に素晴らしいわ。』
リジー『わたしはあなたの大ファンだったの!』

2人は意気投合し、ダンスクラブへ、そして、そのまま身体の関係に。
リジー『あなたのような素敵な人に出会った事がないわ』
シャーロット『わたしも』

翌日、
二日酔いで目覚めたリジー。
シャーロットは二日酔いに効く薬をリジーに渡します。
ラブラブな2人は上海の田舎を旅することに。
バスでの道中、リジーは異常に喉が乾き、ひどい頭痛が襲います。
そして嘔吐。
嘔吐物には虫が混じっています。
シャーロット『OH MY GOD! 虫が混じっているわ!』

状況に混乱し、暴れ狂うリジーは、シャーロットと共にバスから追い出されてしまいます。
周囲は人気の無い場所。

体調が悪化し続けるリジーですが、とうとう身体中から虫がはいでてきます。
リジー『きゃあああ』
すると、シャーロットはカバンからドデカイ中華包丁を取り出します。(なぜそんなの持ってる?)
シャーロット『これでどうにかなるんでない?』
リジーはシャーロットから包丁を奪い、自ら包丁で腕を切断します。
↑突然カバンから取り出された包丁。
場面は戻り、
二日酔いから目覚めたリジー。
シャーロットがリジーに渡した薬は幻覚を見せる薬。
リジーの体調不良はシャーロットによって仕組まれたモノであり、リジーの嘔吐物にも虫等は存在しておらず、シャーロットの作戦によって、まんまと腕をリジー自ら失うように意図されていました。
数カ月後
リジーは泣きながらプライベートスクールへ帰ってきます。
片腕を失ったリジーに驚く先生たち。
リジー『シャーロットにはめられた。あのクソ女は私のチェロ奏者としての成功に嫉妬していて、こんな事をしたの。警察にも相談したけど、薬を飲んだのも腕を切ったのも自分だから、捜査は出来ないって言われて・・・』
リジーの姿に同情する学校の代表。
しかし、片腕を失い、チェロを演奏できなくなったリジーは用無しとみなされ学校を追放されます。
リジーは全てを奪ったシャーロットへの復讐を誓います。
シャーロットは夕食を準備中、モノ音が聞こえ、そこには怒り狂ったリジーの姿が。
場面は代わり、
リジーは、シャーロットを学校へ連れてきます。
『このクソ女を連れてきたわ。』
目が覚めるシャーロット。目の前には学校の代表。
先生『なぜリジーの腕を奪ったんだ?嫉妬か?』
シャーロット『いいえ。彼女をあなたから守るためよ』
シャーロットの過去がフラッシュバックします。
スパルタ教育を受ける少女時代のシャーロットですが、演奏中に少しでもミスがあると、先生たちに罰としてレイプされ、その行為事態が自らの責任であると洗脳されていました。
シャーロットは母親の看病で学校を退学したあとに、精神を酷く病むものの、なんとか洗脳を解くことができましたが、同じく洗脳されレイプされてきたリジーを学校から救うべく腕を奪ったのでした。
学校では代々、英才教育と称して少女たちをレイプし洗脳してきたのでした。
場面は戻り、
シャーロットは再び拘束され、ドレスに着替えさせられ、先生たちの前で演奏を強いられます。
演奏に失敗した場合は、現在学校で育てている少女をレイプすることをほのめかす先生。
リジーもシャーロットを睨みつけています。
渋々演奏を始めるシャーロット。
結果、シャーロットが罰としてレイプされることに。
リジー『わたしに最初にヤラせて!このクソ女に復讐したいの』
リジーがシャーロットを襲うべく近づくと、突然、先生2人が苦しみだし、死んでしまいます。
場面がフラッシュバック。
腕を失ったリジーにシャーロットは叫びます。
『先生たちはあなたを愛していない。あなたは洗脳されている。わたしもそうだったから。』
リジーは信じていませんでしたが、リジーは実際に学校を追い出され、シャーロットの言うことが正しかったことに気づきます。
そして2人は共謀して学校(先生たち)に復讐することに決めたのです。
場面は戻り、
リジーとシャーロットは共に、学校の代表を仕留めます。
闘いの最中、シャーロットは片腕を失います。
時が経ち、
リジーとシャーロットは2人で一つのチェロを演奏。(2人ともそれぞれ片腕を失っている。)
観客には、両手両足を失い、口と目を縫われた学校の代表が強制的に演奏を聞かされています。
(終わり)
感想
頼まれてもいないのに『リジーを救うため』にリジーの命でもある腕を奪ったシャーロット。
確かにリジーを洗脳から救うことは出来たかもしれないけれど、産まれてからずっとチェロ演奏をしてきたリジーの将来も同時に奪ったシャーロットに対して、個人的に共感することができない。
リジーを救うため、いや、そうではなく学校に復讐するため、いや、本当はリジーに嫉妬していたのもあると思う。
リジーの腕を奪うことなくリジーを救い出し、学校に復讐する方法はあったはずだから。事実、チェロ奏者として成功する前に夢を諦めたシャーロットと、洗脳されながらもチェロ奏者として世界的に活躍するリジーとでは立場は違うし。
なので、最後はうまく正義の味方ちっくになったシャーロットも、学校に復讐するためにリジーをうまく洗脳したサイコな自己中女に思えた。