映画『レディオアノット(原題:Ready or Not)』の結末やあらすじ、感想・評価、作品の概要やキャスト等が掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。
嫁姑関係に悩んでいる人は是非。
【評価】
星 9/10 ★★★★★★★★★(最高のエンターテインメント!)
Contents
簡単なあらすじ
御曹司に嫁いだグレース。しかし、一族には代々伝わる伝統があり、結婚初夜、グレースは最悪の夜を過ごす事になる。
概要
・原題:Ready or Not
・製作国:アメリカ
・製作年:2019
・日本公開日:未定
・監督: マット・ベティネッリ=オルピン&タイラー・ジレット
・主演:サマラ・ウィーヴィング
ホラー・コメディ映画として晩夏に公開された本作『Ready or not』。
批評家からの評判は頗る良いものの、興行収入は凡という。
出演者
サマラ・ウィーヴィング(グレース)

美しいだけではなく、たくましいヒロインを演じたのは、オーストラリア出身のスタイル抜群で小顔の若手美人女優サマラ・ウィーヴィング。
2017年にNetFlixより公開された『ベビーシッター』での好演が記憶に新しい所。今後も主演映画が続々公開と大ブレイク間違いなしの人。
マーゴット・ロビーに似てると思う。
アダム・ブロディ(ダニエル)

狂気のゲームに葛藤する青年を演じたのはアダム・ブロディ。大ヒット青春ドラマ『O・C』でのセス役で超人気俳優になり、その後も地道にキャリアを積む。
『O・C』が10年以上前というのが驚き。年とったわ。
ネタバレ
冒頭
とあるル・ドマス家の大きなお屋敷で二人の少年。
ダニエル『ここに隠れていて!』
ダニエルは弟アレックスと話している最中、とある腹にボーガンが刺さり出血している男性が現れます。
男性『ダニエル、お願いだ。何も声を出さないでくれ。』
しかし、ダニエルは叫びます。
ダニエル『男を見つけた!!ここにいるよ!!!』
すると、大人たちがやってきて男を捕まえてどこかへ行きます。
30年後
主人公グレースは名家の御曹司アレックスル・ドマスと結ばれ、晴れ晴れ結婚式を迎えます。
グレース『みんなはお金目当てだって思っているわ。それにヘレナ叔母様からいつも睨まれているわ・・・』
アレックス『気にしないで!君を一生幸せにするよ。』
ル・ドマス家は美人で明るいグレースを大歓迎しますが、ただ一人ヘレナ叔母さんはグレースを睨みつけています。
式が終わり、二人だけのイチャイチャする時間かと思いきや、部屋には隠し扉から入ってきたヘレナ叔母さん!
ヘレナ叔母さん『もうみんな集まった。ゲームが始まるわ。』
アレックス『ル・ドマス家の伝統で誰かが新しく一族に入るときはゲームをすることになっているんだ』
一瞬戸惑うグレースですが、『あ、そう』という感じで気にしていません。
しかし、アレックスは落ち着かない表情。
アレックスと共にゲーム部屋にやってきたグレース。
一家の主であるトニーがゲーム内容を説明してくれます。ちなみにル・ドマス家はボードゲームで富を築いたとのこと。
『この箱は我がル・ドマス家の伝統の箱で、この箱にカードを入れて、カードに書かれたゲームを行います。さあ、グレース、一枚カードを引いて。』
グレースは無邪気にカードを一枚引きます。
『かくれんぼ』
一族の表情はガラッと変わり、アレックスは真っ青。
グレース『かくれんぼ?誰が隠れるの?』
トニー『君が隠れるんだ。200数えたら探しに行くよ。朝日が昇るまで見つからなかったら君の勝ちだ。幸運を祈るよ。』
何も知らないグレースは普通のかくれんぼだと思い、屋敷内に隠れます。
一方。
ル・ドマス家の人々は、銃、ボーガン、斧などの武器を片手にグレースを殺す気満々です。
(↑右から三番目。)
『伝統だから仕方ないわ。あなたは参加しないでこの部屋にいなさい』
アレックスの母は、グレースの旦那であるアレックスをなだめます。
この殺人ゲーム『かくれんぼ』ですが毎回行われているわけではなく、『箱』の気まぐれで、数十年に一度行われ、最後に行われたのは冒頭シーンでもあった、男性がターゲットになったときでした。
この男性はかつてのヘレナ叔母さんの婿養子で、かつて自分の旦那が『かくれんぼ』で犠牲になった恨みを今回晴らすが如く、グレースを始末する気満々です。
しかし、他の参加者は、嫌々参加しています。
また、屋敷内には無数の防犯カメラが設置されていますが、公平を期するため、防犯カメラのスイッチをオフに!
『もし朝日が昇るまでにグレースを始末できなかったら、ル・ドマス家は滅びる』
このような言い伝えがあるため、ル・ドマス家はゲームに参加せざるを得ないようです。また、そんなおかしな言い伝えが本当なのかも疑っています。
特にアレックスの兄ダニエルは参加したくなさそう。(ヘレナ叔母さんと数名以外、基本的にゲームに乗り気ではない。)

隠れるグレースですが、退屈して外へ出てしまいます。
すると、愛する妻を見捨てることができず、助けに来たアレックスが現れます。
アレックス『よく聞いてくれ。もし、誰かに見つかったら死んでしまう。早く屋敷から脱出してくれ。ごめん、この一族の伝統なんだ。かつてゲームに参加しなかった人は翌朝、死んでいた。だから、君は参加しないといけない』
状況に困惑するグレースですが、運悪く部屋に入ってきた屋敷のメイドが、グレースと間違われて殺されてしまう現場を目撃。
グレースはゲームの本気度に気付き、逃げることを決意。
アレックス『僕がキッチンのセキュリティドアを解除するから、そこから逃げてほしい』

グレースは逃げる途中、武器を持ったル・ドマス家の人々に見つかり、襲われますが、何とか逃げます。
ある部屋に隠れるグレースですが、そこに隠し扉から突如現れたダニエル。
グレース『ダニエル、お願い。助けて!』
ダニエルは異常なゲームの存在に葛藤しており、ゲームに乗り気ではありませんが、最も大事なル・ドマス家の伝統を守るため渋々ゲームに参加。
ダニエル『見なかったことにする。10数えたら大声を出す。』
何とか逃げるグレースは猟銃を手に取ります。
グレースは逃げることが最優先、しかし、もし襲われたら闘うことを決意。
キッチンに到着したグレースですが、運悪く屋敷の執事がやってきます。
グレースは銃で執事を脅しますが、銃は不発。
キッチンドアから逃げることに失敗したグレースは再び屋敷内を逃げ惑います。
グレースを見つけられないことに困惑するル・ドマス家一同。
『何度も言うけど、朝日が昇るまでに彼女を仕留めないとル・ドマス家が滅びるわ。伝統は絶対よ!』
何十年も昔の言い伝えを信じる一族。
一方、
グレースは窓から飛び降りて、屋敷の庭へ。
後方から何者かに追いかけられ、家畜小屋に隠れるグレース。
追いかけてきたのはル・ドマス家の子供。しかし子供は銃を持っており、発砲。怒ったグレースは子供の顔面に思い切りパンチ。子供は気を失います
グレースの手のひらには大きな穴が空き重症、そのまま家畜を捨てる穴倉に落ちてしまいます。
そこには、かつて『かくれんぼ』で犠牲になった男性の白骨(冒頭の男性でヘレナ叔母さんの旦那)。
悲鳴をあげるグレースですが自力で穴倉を抜け出し、今度は屋敷の柵を抜け、森へと逃げていきます。

グレースを追いかけてくる執事。
執事はやる気満々で、グレースを追いつめ、グレースは捕まってしまいます。
執事が運転する車の中で目を覚ますグレース。
勝利を確信した執事とは裏腹に、運転に夢中の執事をグレースは後部座席から思い切りキック。
車はバランスを崩し横転、そのまま執事は死亡。
フラフラのグレースですが、そこに現れたダニエルに殴られ、屋敷に連れ戻されます。
目を覚ますグレースは手足を拘束された状態。
周囲にはアレックス一族。
グレースを仕留める寸前で苦しみだす一族。
ダニエルは飲み物に毒を仕込み、グレースを助けてくれました。(致死量ではない!)
二人で逃げる途中、ダニエルは妻に銃で撃たれ殺されてしまい、怒ったグレースはダニエルの妻を始末。
次に現れたのはアレックスの母。
アレックスの母は始めはやる気がありませんでしたが、グレースに襲い掛かってきます。
アレックスの母を箱で殴り始末します。
次に現れたのは愛する妻を助けに来たアレックス。
しかし、グレースによって無残に殺されている母の姿を見たアレックスは困惑。
更に、グレースから別れを告げられたアレックスは、グレースを裏切り、儀式を続行することを決意。
アレックス『女がここにいるぞ!』
グレースは再び捕まり、拘束されます。
夜明け前、ル・ドマス家一同は儀式を行い、アレックスによってグレースをナイフで始末するところ、グレースは何とか急所を外し、生存。
世が明けてしまいました。
『ル・ドマス家が滅びてしまう』
そんな言い伝えを信じていましたが、何も起きず、安どの表情を浮かべる一同。
ヘレナ叔母さん『いや、やっぱりグレースを仕留めないといけない』
斧で襲い掛かって来るヘレナ叔母さん。運命を受け入れるグレース。
しかし、
『Bomb!!』
なんと、ヘレナ叔母さんは謎の力で爆死。
一同ぽかん。
すると次々とアレックス一族が爆死していきます。
最初は困惑していたグレースですが、状況を理解し、『ざまーみろ』といった感じでほほ笑みを浮かべるグレース。
ル・ドマス家に伝わる伝統は本当だったのです。
アレックス『君を愛してる。やり直そう』
グレース『クソ野郎。離婚よ』
婚約指輪を投げ捨てた瞬間、アレックスは爆発して死にます。
燃え盛る屋敷の中、一人生き残ったグレースは、ぼんやりと今は亡き男性の亡霊を観ます(おそらく箱の持ち主のヴィクターさん)。
警察や消防隊が到着し、血だらけのグレースに話しかけます。
『いったい何が起こったんですか?』
グレースは一言。
『親戚トラブルよ。』
↑スカッと!(一族が残っていないので、莫大な資産はグレースがいただくことに。)
解説
箱
グレースが恐ろしい夜を過ごすことになった元凶である『箱』
かつてル・ドマス家の爺が、19世紀頃にヴィクターさんという方からゲットした『箱』。
この箱はブラックマジックたる黒魔術のようなスーパーパワーが秘められています。
映画内では少しの描写でしたが、ヴィクターさんは悪魔で、おそらくル・ドマス家の爺はこの一族が財を成す代わりに、悪魔と契約を結んだものと思われます。
悪魔は一族に新しい仲間が入るたびにゲームを要求しますが、『かくれんぼ』だけは特別。
かくれんぼの対象になった人は悪魔に捧げる『契約』と引き換えに、ル・ドマス家の繁栄を約束されたのだと予想できます。
グレースの前に行われた『かくれんぼ(生贄はヘレナ叔母さんの旦那)』は30年前に行われたので、悪魔のかくれんぼは30年ごとに行われるのかも。
グレースとアレックス
最悪なかくれんぼをすることになったグレースに対して、明らかに協力的なのは旦那アレックス。良い隠れ場所を探したり、セキュリティドアを解除したりと、自分の命も顧みずにグレースを手助けします。
しかし、最後の最後で豹変します。
グレースが『どうしてこんなゲームがあることを教えてくれなかった』という質問に『もしそれを知っていたら結婚してくれなかっただろ』と回答し、更に『君がかくれんぼのカードを引かない事を祈っていた』との事。
これに怒り心頭のグレースは別れを切り出します。すると、アレックスはグレースを裏切り、グレースを生贄に捧げるという心変わり。
結婚初日に本性が分かってよかったね!
最後はグレースが婚約指輪を投げ捨てたと同時にアレックスは爆発してサヨナラ。
知らず知らずに悪魔と契約した一族に嫁いだ花嫁ですが、知らず知らずに悪魔との勝負に勝ちました。
想像ですが、アレックスがグレースを好きになったのは、スタイル抜群の巨乳美女というだけではなく、グレースが孤児院で育ち、家族のしがらみや変なルールが存在する環境で育たず、更に貧乏出身という、自分とは全く違う境遇の彼女に、一種、家族に反抗的な自分(悪魔と契約した一族とは違って自分は純真)を演出するための一手段であり、本性は結局、他の家族と変わらぬ悪魔と契約した異常者だった、と解釈しました。
ダニエル
本作でのグレースの味方はアレックスではなくダニエルでした。ダニエルは幼少期に自分のせいで、隠れていた男性(ヘレナ叔母さん)を見つけ報告したという過去の持ち主。その過去はトラウマとなり、ずっとダニエルを苦しめていました。
他の家族の前ではやる気のある素振り(それでも全然無いように見えるけど)を見せて、グレースを逃がしたり、絶体絶命のところを、家族に毒を仕込むという形でグレースを助けたり。
しかし、家族に毒を仕込んでまでグレースを助けるかどうかも悩んでいたのだとも思います。家族を裏切り、グレースを助ける決心がついたのは、一族の小さな子供でさえ、拳銃を片手にグレースを追いかけている異常性を認識したとき。それは30年前に自身が少年時代に同じことをした場面がフラッシュバックしたのでしょう。
結局、妻に銃殺されてしまいますが、本作で良い感じの印象で死んだのはダニエルだけ。(映画のキャラクター的には影は超薄いけど。)
その他の登場人物も『かくれんぼ』の生贄になるグレースに対して憐れみの感情を抱きますが、それとこれとは別。最終的にみんなやる気満々でした。
コカイン乱用者でハイになったままノリノリでグレースを追いかける子持ち奥様が一番笑えた。