映画をまだ観ていない方は、映画の結末まであらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

ホラー映画『シャイニング』
何度鑑賞してもおもしろい!
Contents
簡単なあらすじ
概要
スティーブン・キング原作『シャイニング』の映画化。
監督は大御所スタンリー・キューブリック。
呪われたホテルで住み込みの仕事をすることになった家族の悲劇。
批評家からは絶賛である一方、原作者スティーブン・キング氏は酷評。
続編が公開予定
『シャイニング』の続編となる『ドクター・スリープ』が2019年に公開予定です。
主演はな、なんと、ユアン・マクレガー。『シャイニング』の息子ダニーが成長した後の物語との事。
↑ユアン・マクレガーはマジで好きだった!
ネタバレ
主人公ジャックは小説家。妻ウェンディと息子ダニーの三人暮らし。
ジャック家族は、就職面接のために人里離れたロッキーマウンテンにそびえ立つホテル”Overlook”へ到着します。
『仕事はホテルが閉鎖される冬の期間ずっとだけれど大丈夫ですか?ちなみにその間は街には戻れません』
そして、ホテルマネージャーはホテルの歴史を教えてくれます。
『前任者は頭がおかしくなって妻と娘二人を惨殺、その後自害したんだ。それでも大丈夫かい?』
ジャックは他人事だと思い気にしていません。
また、ホテルはかつて先住民族の土地を奪って設立したこともわかります。
ジャックは静かな環境で小説を書くのに良い機会だと思い、オファーを受け入れます。
ホテルへとやってきたジャック家族は館内を案内されます。
数カ月分の食料が備蓄され、用意された部屋も豪華なモノ。
小説執筆が捗るとジャックは喜びますが、息子ダニーはエレベーター扉から流れてくる大量の血の海を見るなど、不吉な予感を感じています。

案内してくれた黒人コックはダニーとテレパシーで会話します。(Shining”輝き”の能力)
ダニーは”Shining”という不思議なチカラ(未来を読むチカラ)があり、黒人コックも同じ力を持っていました。
ダニーは黒人コックにテレパシーで問いかけます。
ダニー『237号室で何か起きたの?このホテルは不気味だよね』
黒人コック『このホテルは歴史のあるホテルだから色々あってね。でも、絶対に237号室には近づいてはいけないよ!』

数カ月後
雪に覆われたホテルにはジャック、妻ウェンディ、そして息子ダニーの三人だけ。
妻ウェンディと息子ダニーはホテルを散策したり、外の迷路で遊んだり。
一方で、ジャックは執筆活動に精を出す日々ですが、怒りっぽくなっており、妻ウェンディに怒鳴り散らすことも。
息子ダニーは一人でホテルを散策していると、目の前には双子の少女。
少女『一緒に遊びましょ。永遠に。』
息子ダニーは同時に少女2人が血だらけで惨殺されている光景が見え、怯えます。

ジャックは少しずつ正気を失っていき、更に感情的になる日々。
突然叫びだしたり呻きだしたりと妻ウェンディも心配し始めます。
息子ダニーはジャックの部屋へ行きます。
ダニー『僕とお母さんを殺さないよね??』
息子ダニーはジャックが、妻ウェンディと自分(息子ダニー)を惨殺する光景を見てしまったため心配でなりません。

ジャックはその後も精神がおかしくなります。
ジャックはホテルのイベントホールへ行くと、いるはずのないたくさんの人が。(幻覚)
そして、そこには見覚えのある男性が。
その男性は、妻と娘二人を惨殺し、その後自害した前任者でした。

入ってはいけないと言われた237号室の扉が開いており、入室する息子ダニー。
その後、息子ダニーも少しずつおかしくなっていきます。
妻ウェンディ『237号室に入ったダニーは、部屋にいた謎の女性のせいでおかしくなった。確かめてきて!』
ジャックは237号室に入ると、そこには絶世の美女が。
二人抱擁しあうも、鏡を見ると真の姿は腐乱したオバサン。
ジャックは逃げるように237号室を後にします。
妻ウェンディには237号室の出来事を内緒に。
一方で、
息子ダニーの首元にはアザが出来ており、妻ウェンディは精神がおかしくなったジャックの仕業だと糾弾します。
行方不明になった息子ダニーを探す妻ウェンディですが、偶然、ジャックが執筆していたものをみつけ驚愕。
同じ文章がズラッと書かれているだけでした。
『all work and no play makes Jack a dull boy(働いてばかりだと子供は馬鹿になる。よく学びよく遊べ)』
恐ろしくなった妻ウェンディ
『息子ダニーと共に今すぐホテルを出る』
すると、豹変したジャックは妻ウェンディを追い詰めます。
『このホテルから出るだと?そんなの許さん!』
妻ウェンディはバットでジャックを殴ります。
気を失ったジャックを備蓄室に閉じ込めますが、ジャックは狂気の叫びを上げるばかりです。
妻ウェンディは助けを呼ぼうと無線を使うも、ジャックによって破壊され、連絡手段がない模様。
一方で、閉じ込められたジャックは、前任者の亡霊によって備蓄室の鍵を開けてもらい、妻ウェンディと息子ダニーの始末に向かいます。

おかしくなりはじめたダニーはしきりに『REDRUM』とつぶやきます。(鏡で見るとMURDER”殺人鬼”)
すると、斧を持ったジャック(REDRUM)が妻ウェンディと息子ダニーを襲ってきます。
絶体絶命の中、心配して様子を見に来てくれた黒人コックの車の音が聞こえ、ジャックはその音の方へ行きます。

ジャックは黒人コックを斧で一突き。
再び、息子ダニーと妻ウェンディの始末へと向かいます。
迷路に逃げ込む息子ダニー。
うまくジャックを交わし、妻ウェンディと再会。
二人はトラクターでホテルを脱出します。
翌朝、
ジャックは迷路の中で凍死。
↑・・・。
そして、1920年代の写真がアップに。
そこにはジャックとそっくりの男性がにっこり微笑んでいます。

解説
237号室の秘密
息子ダニーが入ってはならないと警告されていた237号室。237号室には双子の少女や、絶世の美女(腐乱したオバサン)がいました。
237号室はジャックの前に住み込みの仕事を引き受け、惨殺された(ジャックのように精神錯乱し、斧で惨殺)家族が泊まっていた部屋でした。

現実と幻覚
劇中、『鏡』が出てくるシーンが頻発します。また、映像も意図的に左右対称にこだわる部分も多数見受けられます。
ジャックは次第に現実と幻覚の区別がつかなくなりますが、その経過は『鏡』を通して表現されています。
237号室に入室したジャック、そこには絶世の美女がいて、熱く抱擁しあいますが、鏡を見ると実際は腐乱したオバサン。ジャックの視界には絶世の美女、『鏡』を通したら実際に本当の姿が見える、つまり、ジャックが次第に幻覚の世界へ踏み入れている事がわかります。
ジャックがバーで飲むシーン(バーカウンターには鏡)も、ジャックの視界にはバーテンダーや多くの客が楽しむ姿が映っていますが、妻ウェンディの視界にはジャックが一人ポツンと座っているだけです。

1920年台の写真に、なぜジャックが映っていたのか。
『あなた(ジャック)は昔からこのホテルに馴染みがあります。』
そのようなセリフが劇中にありましたが、ジャックの前世はこのホテルで働いていた従業員です。
現世でも『ホテル』の力で呼ばれ、その後、劇中で描かれていたように精神錯乱し、亡霊となり、そのままホテルに棲み着くことになります。
『ホテル』は輪廻転生した、ホテルに縁のある人物を呼び出し、再び亡霊にすることでホテルに留まらせるという目的があったように思います。

犬の着ぐるみと紳士の営み
妻ウェンディが豹変したジャックから逃げる際、とある部屋で犬の着ぐるみを着用した男性と紳士の営み中(同性愛)の場面に遭遇します。物語に必ずしも必要なシーンでは無いのですが、極限状況の中で、『着ぐるみを着用した男性と紳士の営み』という非現実的な場面は、妻ウェンディだけではなく観客にもその不気味さが伝わってくる神演出だと思いました。

原作との相違点
原作との相違点は数々見受けられます。
ジャックの最期
映画では終始気が狂っていたジャックですが、小説ですと、最期は少しだけ正気を取り戻し、息子ダニーにホテルから逃げるように告げます。また、小説でのジャックは映画版のサイコなキャラクラーではなく、温かい感情を持った人物です。そのため、穏やかなジャックがホテルに取り込まれていくというのが一つの恐ろしさだったように思います。
↑ちょっと笑える。
原作には存在していないシーン
映画では、精神錯乱したジャックから息子ダニーが逃げこむ迷路がとても重要な演出となっていますが、小説では迷路は存在していません。同様に、双子の少女が立つシーン、血の海、ジャックの奇怪な文章など映画で印象的なシーンの多くは映画オリジなるです
↑お金かかってそう
息子ダニーと同じ能力を持つ黒人コック
映画では、ジャックによって呆気なく殺されてしまいますが、小説では殺されず、むしろ超重要な役割で、次作『ドクター・スリープ』でも出てくるほど。
ホテル
原作だと、ホテルは爆発して消失します。
読了いただきありがとうございます。