【ネタバレ&解説】ホラー映画『クロール -凶暴領域-(原題:Crawl, 2019)』大型ハリケーンで狂暴なワニが脱走。地下に閉じ込められた主人公たちは逃げられるのか。








映画『クロール -凶暴領域-(原題:Crawl, 2019)』の感想・評価、作品の概要やキャスト等を紹介している他、映画の結末やあらすじが掲載されているのでご注意ください。鑑賞後に読んでいただけたら嬉しいです。いつもありがとうございます。

ぶっとびワニ映画爆誕、

【評価】
星 6/10 ★★★★★★

簡単なあらすじ

大型ハリケーンで町が倒壊する中、逃げ出した狂暴ワニが町を襲う。

概要

・原題:Crawl
・製作国:2019
・製作年:アメリカ
・日本公開日:2019年10月11日
・監督:アレクサンドル・アジャ
・主演:カヤ・スコデラリオ

毎年公開されるワニ映画。同時に批評家から酷評されるのも恒例行事となりつつも、本作は批評家からは好意的意見が圧倒的多数。製作にサム・ライミが関わっているので、単なるワニワニ大パニック映画ではなくエンターテインメント性抜群のドキドキ映画になっていました。

今回はプロデューサーとして参加ですが、サム・ライミといえば『スパイダーマン』シリーズで一躍世界中に有名になりましたが、それまではカルト的人気を獲得したちょっと可笑しいホラー映画『死霊のはらわた』や、スポコン漫画の主人公のようにたくましく気持ちの悪い霊とサバイブする『スペル』(←超面白い)など名作揃いの映画監督。

監督は『ピラニア3D』のアレクサンドル・アジャ。

なんと、この物語は実際にハリケーン(通称フローレンス)が襲った時に起きた事件が元ネタとのこと。

『カテゴリー5のハリケーン』は凄まじい風雨で、家の屋根を飛ばすほか、トラックを横転させるほどの威力。

ちなみに映画のタイトルになっている”Crawl”は『(赤ん坊やワニなどが)腹ばいになって進む、クロール(水泳技法)で泳ぐ』等の意味があり、映画の内容と掛けたものになっています。


↑観た事ないけど『ピラニア3D』絶対おもしろいでしょ!

出演者

カヤ・スコデラリオ(ヘイリー)

ドラマシリーズ『スキンズ』で知名度を高め、その後は『メイズランナー』シリーズでのヒロイン役や『パイレーツオブカリビアン5』の紅一点など活躍の場を広げる、スタイル抜群の美人若手女優。

本作では、狂暴なワニから父親を守る水泳の特異な娘役を熱演し、大絶賛。

ネタバレ

主人公ヘイリーはミネソタ大学に通う将来有望な水泳選手。

大事な試合。

ヘイリーは一番になるも、ベストタイムではなく悔しがります。同時に、幼少期に水泳の試合で負けた日を思い出しますが、『絶対に泣くな、前進あるのみ』という父の言葉が忘れられません。父は熱血指導コーチです。

 

水泳の練習後、ヘイリーは妹から電話が掛かってきます。

 

『超大型ハリケーンが近づいているけれど大丈夫?それにお父さんと連絡がつかないから様子を見てきて!

 

ヘイリーの両親は離婚しており、ヘイリーは父親に、妹は母親に引き取られて生活していますが、姉妹関係は良好です。

 

ヘイリーは土砂降りの中、父親が棲むコンドミニアムに行くも、愛犬シュガーがいるのみ。

続いて、避難警告が出ている地域ですが、愛犬シュガーを連れて、ヘイリーはかつて家族4人で暮らしていた家へ向かう事に。

 

家へ到着すると、地下の扉が開いており、地下を進むヘイリー。

すると、そこには気を失っている父が倒れており、肩や腕から出血しています。

すぐに父を連れて地下を出ようとするヘイリーですが、巨大ワニに襲われます。

うまく逃げることに成功したヘイリーですが、巨大ワニは地下をウロウロしています。


↑音が敏感なワニがいると認知しているのに大声で会話し続ける衝撃演出。

 

巨大ワニの存在に驚くヘイリーですが、父が意識を取り戻します。

 

父『俺を置いて逃げろ!』

 

ヘイリー『あなたを置いていけない』

 

ヘイリーは落としてしまった携帯電話をゲットすべく、地下を徘徊する。運よく携帯電話をゲットするも、巨大ワニに襲われ、携帯電話は踏みつぶされ、足を噛まれてしまいます。また、ワニは一匹ではなく数匹ウロウロしていることも明らかに。

 

大雨で雨水が地下に入ってきます。

足を噛まれるも何とか助かったヘイリーは、火事場泥棒の如くコンビニを物色する3人の若者を発見。

助けを呼ぶも、強盗三人はワニの餌食になります。

 

続いて、ヘイリーは地下からリビングをつなぐ開閉式の床に辿り着くも、やっぱり開かない。

また、父の離婚原因は、ヘイリーの水泳コーチでもある父が、ヘイリーへの水泳にかける情熱指導が強すぎて、妻を蔑ろにしていたせいかもしれない、との事。(父は一応否定をしていた)


↑複数の巨大ワニがウロウロしているのに、親子喧嘩。

 

続いて、警察官二人(うち一人はヘイリーの妹の元カレという謎設定)がやってきますが、二人とも特に活躍することなくワニの餌食になり死亡。

 

地下の水位が高くなる中、ヘイリーは巨大ワニを避けながら地下を移動。

長い間使用していなかった家の地下は、壊れた排水溝から侵入したワニが卵を産むなど、完全に棲み処と化しており、これが理由で家には大量のワニが生息していました。(納得・・・できる?)

 

巨大ワニを避けながら排水溝を辿り、何とか地上に出たヘイリー。

リビングの床を破壊し、地下で溺死しそうな父を助けます。(心肺停止していたけれど人工呼吸で復活)

無事、地下から抜け出したヘイリーと父と犬シュガー。

3人は火事場泥棒3人組が乗ってきたボートで脱出することに。

 

ヘイリーは得意のクロールでワニよりも早くボートに到着。

父と犬シュガーをボートにピックアップするも、川が氾濫し、ボート共々激流に流され、再びワニがたくさんいる家に戻ってきます。

 

父とはぐれるヘイリーですが、なぜだかひょっこり落ちていた無線を拾い助けを呼びます。

そんな時、ワニに襲われるヘイリーですが撃退。

 

一方で、父は愛犬シュガーを助ける際に、ワニに襲われ片腕を持っていかれます。

ヘイリーの助けで屋根に登る父。

 

ヘイリーは再び父とはぐれてしまい、再度ワニに襲われながらも(デスロールされる)撃退し、何とか屋根に登ります。

ヘリコプターがやってきて助かりました。

(終わり)

*デスロール:ワニが獲物にかみついた後、そのままグルグル身体を回転させ、獲物の肉を引き裂くこと。


↑ワニからしたら、棲み処を荒らしに来た外敵を駆除しようとしただけ。

解説

父と娘の関係

本作の主題は勿論ワニワニ大パニックですが、他の映画と差別化を図るためか『父と娘』の物語も強引にぶっこまれました。

映画の登場人物は、ほぼ主人公ヘイリーと父、そしてワニと犬シュガーのみ。

娘は将来有望の水泳選手ですが、その活躍の裏には父の応援のおかげと言っても過言では無いほどの入れ込み具合。父が娘を気にするあまり、妻が逃げていった可能性もあるほど。

そんな尊敬する父の期待に応えるために日々厳しい練習をこなす主人公ヘイリーですが、大事な試合で思うような結果が出ませんでした。(←ここから映画がスタート)

連絡の取れない父の様子を観に行くと、父はワニに襲われ重傷。少し落ち着いたときに『実は結果が上手くいかなくて、奨学金がもらえないかもしれない』と告白。『なぜ今、なぜこのワニに襲われて死んでしまうかもしれない絶望的な状況でそんな事を話せるのか』と最初は疑問に思いましたが、主人公ヘイリーにとっては水泳は命。そして父にとっても娘の活躍は命と同じくらい大事なモノだったからだと解釈しました。

しかし、父の反応は主人公ヘイリーが想像したものとは違っていました。

『大丈夫。気にするな。前進あるのみ。』

父を失望させてしまうと思いきや、父は娘(主人公ヘイリー)への励ましの言葉。

その時から主人公ヘイリーは父との間にあった何とも言えない溝が完全になくなり、同時に『絶対に生きて助かる』という活力が復活したように思いました。

ワニに襲われ、手足を負傷した主人公ヘイリーは水泳選手として活躍する道は閉ざされたと思います。しかし、『期待』というプレッシャーや重荷から解放された主人公ヘイリーの第二の人生は輝かしいものに違いないなあと。