【ネタバレ解説】LGBTQ映画『 ホールディング・ザ・マン -君を胸に抱いて/Holding the Man』15年にも渡る大恋愛の二人にAIDSが襲う








映画『ホールディング・ザ・マン -君を胸に抱いて/Holding the Man』の結末やあらすじ、感想・評価、作品の概要やキャスト等が掲載されているのでご注意ください。いつもありがとうございます。

【評価】
星 8/10 ★★★★★★★★

簡単なあらすじ

二人の男性の出会いから別れまでのリアルな物語。

概要

・原題:Holding the Man
・製作国:オーストラリア
・製作年:2015
・日本公開日:Netflix

主演のティムことTimothy Conigraveが執筆した自著伝の映画化。他にも舞台やドキュメンタリー映画もあるとのこと。

ちなみに”Holding the man”とはオーストラリアのアメフトの禁止ルールで、文字通り、「相手にしがみつく」という意味。ジョンがアメフト部のスタープレイヤーだったことも関係しているかもしれません。

 

出演者

ティム

本作の主人公。ハンサムで活動的なティムは、一目惚れしたジョンにアタック。

大学卒業後は地元を離れ、シドニーで舞台俳優として活動。

ジョン

ティムのパートナー。大学卒業後は地元で整体師として生計を立てる。

ネタバレ

始まり

1993年、若干のパニック状態のティムはイタリアのリパリにいて、幼馴染の友人ペペに電話。

 

ティム『初めてジョンとキスしたパーティで、ジョンはどこに座っていたっけ?』

 

彼の亡きパートナーであるジョンに思い出を彼女に尋ねます。

出会い

1976年、ティムとジョンはオーストラリアのメルボルンにある高校の同級生。

ティムは以前からアメフト部のスター・ジョンに恋をしています。

ティムは演劇部に所属しているおり、自身が出演する「ロミオとジュリエット」の学校劇にジョンを誘います(結局、ジョンは来ませんでしたが)。

ティムは演劇クラスの友人たちとのディナーパーティーにジョンを招待し、ティムとジョンはパーティーゲームの最中、初めてキスをします。

数日後、ティムはジョンに尋ねます。

 

ティム「僕とデートしてくれませんか」

 

ジョンは受け入れます。

ムラムラが爆発しそうなティムですが、ジョンは肉体的な関係になる準備は未だできていないと告げます。

関係を急ぎすぎてしまったことを反省したティムは、謝罪と愛の手紙を書きますが、運悪く先生に見つかり、最終的に、ティムやジョンの家族にもバレてしまいます。

 

「あいつには2度と近くな。お前を病院に連れていく」

 

しかし、二人の絆は硬く、両親の反対を押し切って関係を続けます。

HIV検査結果

1985年、ティムは、執筆中の演劇脚本のためにリチャードと呼ばれるHIV患者にインタビューします。

 

「ゲイはHIVを患うものさ。間違いない」

 

ティムとジョンは二人でHIV検査を受けます。

ジョンは陰性の結果が出てほっとしますが、ティムは陽性。

しかし、ミスがあったことが分かり、ティムとジョンの両方が実際にHIV陽性でした。

ティムとジョンは大学生になります。

ある日、ジョンの家で、ジョンはティムに告げます

 

ジョン「セックスしたい。」

 

そんな良い雰囲気の中、ジョンの家族が帰宅し、初体験もお預け。ジョンの父親はもちろん激怒しています。

その後、無事、初体験を済ませます。

一方で、ティムの浮気が目立ち始め苛立ちを隠しきれないジョンですが、ジョンも他のイケメンたちと交流するようになります。

別れ

ティム「演劇を学ぶためにシドニーに行くよ」

二人の別れを意味します。

複雑な思いのジョンですが、優しく見送ります

シドニーで演劇レッスンを受けるティムですが、劇団員やゲイサウナなどで不特定多数の性的行動を続けます。

 

数ヶ月後

舞台中、ティムは観客の中に、ジョンを見つけます。

セリフも吹っ飛び、言い間違えてしまいます。

 

ティム「愛してるよ。ジョン」

 

二人は再び恋愛仲になり、ジョンもシドニーへ越してきます。

妹の結婚式に出席中の、ティムは赤十字から連絡を受け、HIVに感染した理由は輸血によるものではないことが分かり、つまり、性交渉により感染した可能性が高いことを知ります。そして、自身がジョンに感染させてしまったのだと涙ながらに両親に告白します。

さよなら

AIDSを発症したジョンの容態は悪化し、頻繁に入院するようになります。

ティム自身も自分の病状が徐々に悪化していることに気付き始め、ある日、病院でジョンの看病をしているうちに倒れてしまいます。

 

クリスマス

自宅療養中のジョンは倒れてしまい、再び病院に。

 

ジョン「僕はもう少しの命だと思う。さよならはもう済ませたよね」

 

数日後

ジョンはティムに看取られながら亡くなります。

 

数年後

ティムは、ジョンとの日々を綴った自伝を執筆し終えた後、息を引き取ります。

感想

パートナーの死去後、遺品はどうするのか、AIDSはゲイの病気という誤った価値観など、LGBTQを取り巻く問題もしっかりと描かれていた本作。

原作では、ジョンと出会う前から、ティムは他の人と性的交渉があったことなど、映画では描かれなかった詳細が記載されています。

それ以上に出会いから別れまで、色々なことはあったけれど強い絆で結ばれた二人の関係性は美しい。

最後まで読んでいただき有難うございました。


参照:Holding The Man Official Trailer (2015)