映画『フェアウェル(The Farewell)』の結末やあらすじ、感想・評価、作品の概要やキャスト等が掲載されているのでご注意ください。いつもありがとうございます。
【評価】
星 7/10 ★★★★★★★
さよならを言えない。
簡単なあらすじ
中国に住む余命三カ月の祖母ナイナイ。
主人公ビリーは大好きな祖母ナイナイに会いにニューヨークから中国へ。
しかし、家族全員は余命や病名を祖母ナイナイに秘密にしていた。
概要
・原題:The Farewell
・製作国:アメリカ
・製作年:2019
・日本公開日:2020年4月
・監督:ルル・ワン
・主演:オークワフィナ
A24スタジオから新たなマスターピース爆誕。批評家からも絶賛。賞レースでも快勝。
本作の監督ルル・ワンの実体験を元に物語を構築。
いまやマジョリティともなったアメリカンドリームを求めアメリカに渡ったアジア系アメリカ人(&その子供たち)の主人公が祖国に帰って来る。

出演者
オークワフィナ(ビリー役)

ニューヨークから大好きなお祖母ちゃんに会いに来たビリーを演じたのはオークワフィナ。
『クレイジー・リッチ』(←この邦題・・・)や『オーシャンズ8』で存在感を発揮し、本作でアジア人初となるゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞!!
残念ながらアカデミー賞では完全シャットアウトでしたが、素晴らしい演技だったのは確か。(お祖母ちゃん役の女優も凄く良かった!)
劇中では、彼女の鼻ピアスが気になって仕方がなかった。花ピアスって何アピール?
ネタバレ
ニューヨークに住むアジア系アメリカ人のビリー。
ビリーの両親はアメリカンドリームを果たすべく、中国からアメリカへ渡ってきました。
30歳になったビリーですが仕事も無く、大学の奨学金審査も落ち、友達のパーティーでもテンションが上がらず、悶々とした生活。
そんなビリーも中国に住む祖母ナイナイとは大の仲良しで電話で連絡を頻繁にしている模様。
ある時、両親の元を訪ねると暗い雰囲気。
母『実は、祖母ナイナイが末期がんで余命三カ月なの。すぐに中国に戻るわ。病気のことは祖母ナイナイには絶対秘密よ』
ビリー『わたしも行くわ。』
母『ダメ!だってあなた、祖母ナイナイを前にして病気のことを秘密にできる?』
中国では末期の病気になっても当の本人には知らせない、という風習があるそう。
中国へと旅立つ両親。ビリーもすぐに向かいます。
久々の中国。
かすかに記憶があるだけで街並みは随分と変わったよう。
ビリーが実家に到着すると、祖母ナイナイは大喜び。他の家族一同も全員集合(ビリーの両親は『絶対言うなよ!』という暗黙の牽制。)
ビリーは到着するやいなや、号泣。
心配する祖母ナイナイ
『ご飯食べなさい!』

ちなみにいとこの結婚式という名目でリユニオン。
結婚式の準備を張り切って行う祖母ナイナイですが、体調も少しずつ悪くなっていきます。
病院で診察を受ける祖母ナイナイをよそに、家族一同は医者に質問攻撃。
『祖母ナイナイの体調はどうですか』
そんな一同をよそにビリーは疑問を呈します。
ビリー『祖母ナイナイに余命三カ月であることを伝えた方が良い。そうすれば、やり残したことをやって悔いなく死ねると思う』
医者はやんわり反対
『これは優しい嘘だよ。中国では当たり前のことさ。』
しかし、ビリーは祖母ナイナイに伝えようか迷っていますが、親戚からは猛反対。
『アメリカと中国は違う。もし病気を知らせたら、その恐怖でもっと早く死んでしまう。余計なことをしないでくれ。こういうことがあるから家族の絆も深まるんだ。分かってくれ』

いとこの結婚式当日(ちなみに本当は祖母ナイナイに会いに来るためですが、結婚式に出席するという名目で家族一同が集合しています。)
感極まった親族たちは新郎新婦そっちのけで祖母ナイナイにお礼を述べます。
ビリーは祖母ナイナイの病気を秘密にすることを決意。
ビリー『わたし、中国に残るわ』
ビリーは祖母ナイナイと少しでも長く過ごすため中国残留を決意するも、祖母ナイナイに断られます。
『あなたはあなたの人生を生きて!』
アメリカへ帰国当日。
祖母ナイナイに見送られ、最後のお別れを心の中で行うビリー。
(終わり。ちなみに祖母ナイナイはその後6年経ってもご存命とのことです。)
